『ラスト・オブ・アス』のアニー・ワーシングさんが45歳で死去
世界各国でHBO Maxのドラマ『ラスト・オブ・アス』がリリースされている今、その成功に大きくかかわった女優の1人がこの世を去った。
『ラスト・オブ・アス』は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントから発表された同名のゲームを原作としたドラマシリーズだ。1月29日、原作ゲーム『ラスト・オブ・アス』でテス役をつとめた女優、アニー・ワーシングが45歳で死去したことが報じられた。
テレビ版のテス役はアナ・トーヴが務めているが、アニー・ワーシングは史上最高のゲームの1つとされる本作で主要キャラクターに命を吹き込み、多くのファンに愛されていた。
アニー・ワーシングは2020年にがんと診断され2年にわたる闘病生活を続けていたが、1月29日朝に死去した。
悲報を伝えたのは、米国出身の俳優でアニー・ワーシングの夫であるスティーブン・フル(写真)だ。各メディアに対し、声明を通じて妻の死を明らかにした。
声明の最初にはこう書かれていた:「現在、わたしたち家族の心にはぽっかりと大きな穴が開いています。しかし、アニーはそれをふさぐための道具を残してくれました」
スティーブン・フルによれば、アニー・ワーシングは「何でもない瞬間にも驚くべきことを見出す才能がありました。音楽がなくても踊りだすことができたのです。アニーは、冒険がやってくるのを待つのではなく、自分から冒険を探しに行くことを教えてくれました。冒険はどこにでも隠れているのです。」写真はジェナ・フィッシャー (「The Office」) と並ぶアニー・ワーシング。
スティーブン・フルの声明の最後には、「愛しています、わたしの友よ。愛しています、わたしの小さな家族」と綴られている。二人にとり特別な意味が込められているのだろう。
アニーは米国セントルイス出身で、2002年に米ドラマシリーズ『スタートレック:エンタープライズ』で端役を得て、女優としてのキャリアをスタートさせた。
興味深いことに、アニーにとって最後の役のひとつとなったのが『スタートレック』7作目となる『スタートレック:ピカード』だ。同じシリーズに出演し、ボーグ・クイーン役を務めている。
ブレイク前には『Frasier』、『Angel』、『Supernatural』、『Charmed』、『Cold Case』といった人気シリーズに出演、そして2007年に初めて重要な役を手にした。
米ABCのソープオペラ『ジェネラル・ホスピタル』に出演、80エピソードにわたりアメリア・ジョフィ役を務めて一躍有名女優となった。
2009年には テレビドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のシーズン7と8でプライムタイムに進出を果たす。本作ではキーファー・サザーランド演じるジャック・バウアー(写真)とタッグを組むFBI特別捜査官、ルネ・ウォーカーを37話にわたって演じたのだ。
米TVドラマ『ヴァンパイア・ダイアリーズ』ではステファンとデイモンという2人の子供の母親、リリー・サルバトーレ役を好演して18エピソードに出演、注目を集めた。
近年のアニー・ワーシングは『BOSCH/ボッシュ』のジュリア・ブライシャー役(13話)を務めたほか、『ランナウェイズ』(32話)では若い主人公の一人の母親であるレスリー・ディーン役を担当していた。
がんと診断されてからも、アニー・ワーシングは『スタートレック:ピカード』に出演したほか、ネイサン・フィリオン主演の『ザ・ルーキー 40歳の新米ポリス!?』に協力、第6話まで脱獄囚ロザリンド・ダイアーを演じていた。
テレビ女優として輝かしいキャリアを打ち立てたアニー・ワーシング。その早すぎる死を悼み、ドラマ界はもちろん、ゲーム『ラスト・オブ・アス』のファンダムからも数多くのメッセージが寄せられた。アニーの象徴となったテス役は、永遠にビデオゲーム史とファンの心に残ることだろう。