表計算ソフトの達人たちがラスベガスで火花を散らす「エクセル世界選手権」
エクセルと言えば、事務作業に欠かせない表計算ソフトとしておなじみ。誰もが一度は使ったことがあるだろう。しかし、そんなエクセルを使った国際競技大会があることはご存知だろうか。
『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙によると、なんとエクセルの世界大会がアメリカのラスベガスで開催されたという。
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大会の名前はシンプルに「マイクロソフト・エクセル世界選手権」となっている。仏誌『Géo』も指摘するように、大会のスポンサーにはエクセル開発元のマイクロソフトも名を連ねており、製品のプロモーションも兼ねているようだ。
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大会が行われるのはラスベガスの有名ホテル「ルクソール」。ピラミッド型の建物が特徴的で、ラスベガスを象徴する存在だ。
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会場となるのはそのルクソールの「ハイパーXアリーナ」。普段はeスポーツの大会などに用いられている。
試合はエクセルのワークシート上で行われ、「財務モデリング」を通して腕を競う。
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試合に際しては厳格なルールが定められている。詳細は「財務モデリングワールドカップ(Financial Modeling World Cup: FMWC)」の公式サイトで確認可能だ。
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参加者はまず年齢で2つのグループに分けられる(25歳以上と25歳未満)。また、大会では世界ランキングと同時に地域ごと(アフリカ、北米、南米、アジア太平洋、ヨーロッパ)のランキングも定められる。
FMWCのサイト上での説明によると、大会ではモデルケースを用い、複雑な数学的問題を解決する必要があるのだという。
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仏誌『Géo』によると、決勝戦では小惑星の爆破処分や宇宙船の建造などに関わる問題が出されたという。
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2023年に世界ランキング1位となったのはアメリカのローレンス・ラウさん。ボストンに拠点を置く投資会社で会計士を務めているという。
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2位となったのはその素晴らしいパフォーマンスから「エクセル界のレブロン・ジェームズ」とも呼ばれる、アイルランドのディルムッド・アーリーさん。
画像:バスケ界のレブロン・ジェームズ
大会に先立ってマイクロソフト社の代表がスピーチを行い、次のように述べたという:「ぜひ皆さんの情熱、エネルギー、そして熱い想いをワークシートにぶつけてください。あなた方は今日伝説となるのです。皆さんの計算速度が本領を発揮し、指が素早く駆け回るよう祈っております」
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こうして行われた大会で1位となったのは「殲滅者」ことアンドリュー・ンガイさん。世界選手権ではこれまでに2度の優勝経験があり、王者の威厳を示した形だ。
自他共に認める優勝候補だったンガイさんだが、準決勝の時には大会側のシステムトラブルで得点が低く出され、あわや敗退かと思われる一幕も。システムはすぐに直されンガイさんは決勝に進出、優勝を果たした。
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ラスベガスといえばカジノの街というイメージだが、昔からショービジネスの盛んな土地でもあり、最近はeスポーツ関連の催しも多く開かれている。普段からエクセルを使っていて腕に覚えのある人は参加を検討してみてもいいかもしれない。
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