世界各国のコーヒー一杯の値段を比べてみよう:ローマ、北京、ブエノスアイレス......
世界中で親しまれているコーヒー。コーヒー豆の産地や品種、生豆の精製方法や焙煎方法、淹れ方から飲み方、カップの選択などでその味は千差万別だが、どこへ行ってもたいてい一定の額で口にすることはできるだろう。
ただ当然ながら、一杯のコーヒーの値段は土地によって異なってくる。米国の貸金業者「Cash Net USA」のバーバラ・デヴィッドソンはそうした違いを調べ、「コーヒーの値段世界地図」を作成した。2021年に作成されたもので現状と異なる部分もあるが、さっそく見ていこう。
米国のコーヒーはそれほど高くない。ワシントンD.C.のコーヒーは一杯3.53ドル(388円)。ところで、この3.53ドルという平均価格がどのようにして出てくるのか確認しておこう。「コーヒーの値段世界地図」では、各都市からランダムに5軒のカフェを選び、その店のエスプレッソ、ラテ、カプチーノの値段をもとにして平均価格を算出しているとのことである。
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韓国のソウルはコーヒーが世界で最も高価な場所で一杯7.77ドル。円に換算すれば854円だ(1ドル=110円で計算、以降も同様)。
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うってかわってイランの首都テヘランは世界で最もコーヒーの値段が低い都市だ。一杯0.46ドル(50円)。つまり、ソウルのコーヒーの一杯分で、テヘランでは17杯注文できる計算になる。
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カナダの首都オタワでコーヒーを注文すると、3.11ドル(342円)かかる。
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バハマの首都、ニュープロビデンス島のナッソーでコーヒーを頼むと3.91ドル(430円)ほどかかる。ちなみにバハマ諸島はカリブ海に浮かぶ西インド諸島の一部で、1492年にクリストファー・コロンブスの一行が命からがらたどりついたサン・サルバドル島もバハマ国の一部となっている。
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同じく西インド諸島のバルバドスの首都ブリッジタウンでは、コーヒー一杯は3.55ドル(390円)。西インド諸島は大きくバハマ諸島と大アンティル諸島、小アンティル諸島に分けられる。大アンティル諸島にはキューバをはじめとする大きな島が含まれ、小アンティル諸島はそこから東へ、やがて南へと弧を描きながら連なっていく。その弧の一部を成しているのがトリニダード・ドバゴやバルバドスといった島国だ。
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メキシコの首都メキシコシティはコーヒーの美味しい街として知られているが、その値段は2.17ドル(238円)と比較的安い。メキシコの隣、グアテマラの首都では一杯2.35ドル(258円)となっている。
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コロンビアはコーヒーの栽培がさかんな国だ。自国で生産した安価な豆が手に入るとあって、首都ボゴタのコーヒーは1.27ドル(139円)と、ラテンアメリカでは一番低い値段になっている。
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同じ南アメリカ大陸でも、エクアドルの首都キトでは、コーヒーは一杯2.48ドル(272円)である。
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ウルグアイの首都モンテビデオでは、3.01ドル(331円)になっている。
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南アメリカ大陸で最もコーヒーが高いのは、チリのサンティアゴ。3.15ドル(346円)である。
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しかしアルゼンチンのブエノスアイレスでは、わずか.61ドル(177円)でコーヒーを楽しむことができる。
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キューバの首都ハバナでコーヒーを頼むと、一杯1.97ドル(216円)。ほかにキューバの嗜好品といえば、ラム酒と葉巻も忘れてはならない。
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お次はスペイン、マドリード。コーヒーは一杯、2.75ドル(302円)。
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リスボンのコーヒーは、一杯につき2.52ドル(277円)。
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ローマのコーヒーも案外こなれた価格の2.47ドル(271円)。
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しかしアルプス山脈の向こうでは、話は少し違ってくる。パリでコーヒーを頼むと、一杯4.82ドル(530円)かかるのだ。
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ヨーロッパでコーヒーが一番高いのは、スイスのベルン。一杯のコーヒーが、なんと5.65ドル(621円)。
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スイス・ベルンと対照的に、バルカン半島に位置するアルバニアの首都ティラナでは、ずっと気軽にコーヒーを頼める。一杯1.21ドル(133円)。ヨーロッパの都市としては最も低い値段だ。
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お次はウェールズ最大の都市、カーディフ。コーヒーは一杯、3.81ドル(419円)。
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カーディフから直線距離で250kmほど東へ向かうと、そこはロンドンだ。そしてコーヒーの値段は3.70ドル(407円)になる。
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アムステルダムで出てくるコーヒーも、ロンドンと同じくらいの値段だ。一杯3.69ドル(405円)。
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ブリュッセルでも同じことが言える。一杯3.52ドル(397円)。
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イギリス・北アイルランドの首府、ベルファスト。この地のコーヒーは一杯3.58ドル(393円)である。寒さの厳しい冬の間は、アイリッシュ・ウィスキーをコーヒーに入れた「アイリッシュ・コーヒー」が好まれる。
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スコットランドの首都エディンバラのコーヒーは、平均価格が一杯3.67ドル(403円)である。
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北欧はどうかというと、スカンジナビア半島のスウェーデンのストックホルム、ノルウェーのオスロ、フィンランドのヘルシンキはいずれも4.41ドルから4.57ドル(485円~502円)の範囲に収まるが、デンマークのコペンハーゲンでは一杯5.54ドル(609円)となっている。
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お次はオーストラリアの首都、キャンベラ。コーヒーは一杯、3.10ドル(341円)。
写真:Unsplash - Albert S.
ニュージーランドの首都ウェリントンでも、キャンベラとだいたい同じ3.30ドル(363円)でコーヒーが出てくる。
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シンガポールでコーヒーを味わうには、だいたい4.87ドル(535円)を支払わなければならない。
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台湾の首都、台北市においてもコーヒーは高く、一杯4.77ドル(524円)となっている。台湾ではコーヒーではなく凍頂烏龍茶を買うべきかもしれない。
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さて、東京のコーヒー平均価格は、5.29ドル(581円)となっている。
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北京でコーヒーを注文すると、4.57ドル(502円)かかる。
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ネパールでももちろんコーヒーは愛されている。ネパールの農村にはコーヒー畑もあるのだ。一杯のコーヒーの値段は、同国最大の都市カトマンズで1.49ドル(163円)ということだ。
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中東に目を転じてみよう。カタールの首都、ドーハのコーヒーはこの地域で最も高い6.79ドル(746円)をつけている。
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クウェートの首都はクウェート市。一杯のコーヒーは5.71ドル(628円)。
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レバノンの首都ベイルートも同じく、5.71ドル(628円)。
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アラブ首長国連邦の首都アブダビ市でコーヒーが欲しくなった場合、5.63ドル(619円)がその目安の対価になるようだ。
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サウジアラビアの首都、リヤド。一杯のコーヒーは5.05ドル(555円)。
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トルコの首都アンカラは、イランの首都テヘランに次いで、コーヒーの安い都市である。平均価格は1.45ドル(159円)。
写真:Unsplash - Buse Doga Ay.
なお、「コーヒーの値段世界地図」の情報は前述のとおり、2021年に収集・作成されたものであり、したがって現在の価格と異なる場合もあるだろう。現状についてはぜひとも自分の足と財布で確かめてもらいたい。
写真:Cash Net USA