往年のスターも美容整形を受けていた:ジョン・ウェインやマリリン・モンローも……
一部の美容整形には数百年の歴史を持つものもあるが、この技術が目覚ましい進歩を遂げたのは20世紀の世界大戦中のこと。時を同じくして発展したハリウッドはその黎明期から美容整形とは切っても切れない関係にあり、多くのスターが類まれな美貌を手に入れるために顔にメスを入れてきた。
リタ・ヘイワースは生え際の毛根を電気的に処理、何ヶ月もかかるつらく苦しい施術を経て髪を後退させた。当時、生え際が前によっているのがあまりに「エキゾチック」だと見られていたためだ。当時の美意識に合わせるために、元は黒かった髪も赤毛に染めている。
『Dead Famous』という本の著者であるグレッグ・ジェンナーによると、サイレント映画時代のスター、メアリー・ピックフォードは1920年にはフェイス・リフティングを受けているのだという。以降彼女の顔がどこか表情の欠けたものになった(当時の報道では「ミイラ化」したと言われている)のもそれが理由だとか。
1930年代を象徴するスター、クラーク・ゲーブルも耳の形を変える美容整形を受けていたと言われている。また、入れ歯をしたことで笑い方も大きく変わっている。
ディーン・マーティンもイタリア風の見た目を変えるために鼻の美容整形を受けている。1940年代のエンタメ業界ではイタリア移民系の人たちへの偏見が根強かったことの反映でもある。
さいきん公開された医療記録によると、マリリン・モンローもあごを目立たせるためにインプラントを入れていたようだ。同じ記録から、鼻にも少し手を入れていたことがわかっている。また、通説ではほかにも生え際の処理や豊胸手術も受けていたと言われている。友人の証言では、彼女の死の直前、胸の手術が原因の感染症の兆候が見られていたという。
アメリカで最初期のコメディアン女優となったファニー・ブライス(映画『ファニー・ガール』の題材でもある)は三枚目のイメージが定着しすぎるのを嫌い、鼻の美容整形を受けている。本人は手術を否定していたが、1920年代のハリウッドでは「エキゾチック」な顔立ちが嫌われており、多くの人が大胆な措置を取っていたのは事実だ。
伝記によると、ジョーン・クロフォードは奥歯を除去することで顔の輪郭を整えるタイプの美容整形を受けていたという。
バート・ランカスターも美容整形を受けていたのだという。ビバリーヒルズの美容整形医リチャード・フレミングがABCニュースに語った。キャリア後半により魅力的な役に抜擢されるようになったのはこの整形のおかげだとか。
往年のスター、ベティ・ホワイトも1970年代にまぶたのシワを伸ばす手術を受けている。このことは2011年の自伝出版まで秘密にされていた。
西部劇には欠かせない存在だったジョン・ウェインも美容整形を受けていた。また、1948年以降は映画出演に際してかならずウィッグを付けていた。さらに、伝記作家のスコット・エイマンによると、年を取ってからは縮んだ身長をごまかすために10cmほど上げ底になった靴を履いていたという。
女優としてだけでなく、発明家としても顕著な功績を残したヘディ・ラマー。1930年代にはハリウッド一の美女として名を馳せたが、1960年代には美容整形を受け始め、やがて以前の面影がまったくなくなってしまったのだという。彼女をテーマにしたドキュメンタリー映画で紹介されている。
いっぽう、ジョーン・リバーズは美容整形を受けたことを公言しており、顔やまぶた、首などに手術を施したという。本人曰く、自身の容貌を維持することはショービズ界での存在感を保つ上で非常に重要だったとか。
キャロル・バーネットは1980年代にあごを目立たせる手術を受けたという。のちにあるインタビューでピアーズ・モーガンに冗談交じりにこう語っている:「ずっとやりたかったんですよ。雨が降りそうになると手術跡がうずきますけど」バーネットいわく、手術の感想が聞きたくてマーロン・ブランドが電話してきたこともあったとか。
「美容整形の広告塔」をも自称する歌手のシェール。当然、自身の受けてきた美容整形についても非常にオープンで、鼻や顔の手術に加え豊胸手術も公言している。「胸を背中に付けたくなったら、もちろんやりますよ」とも言ったことがあるほどだ。
同じく整形に関して非常にオープンなのがシンガーソングライターのドリー・パートンだ。豊胸手術や唇の手術、顔の整形を受けてきたことを公言している。