セレブたちが巻き込まれた遺産騒動:ドロドロの内輪もめから一風変わった遺言まで
ボブ・マーリーがこの世を去ったのは1981年だが、数十年が経った今も遺産を巡る裁判が繰り広げられている。どうやら、遺言そのものがなかったようなのだが……
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ボブの遺した資産を巡って争うのは妻のリタ、十数人の子供たちと無数の孫、バンド仲間、ミュージシャン、ビジネス仲間、詐欺師まで多岐にわたる。3,000万ドルにおよぶ資産の管理権を握っていたのはリタだったが、文書偽造で有罪判決を受けるなど、まさに修羅場となっている。
1993年にプレイメイト・オブ・ザ・イヤーに選ばれたことで有名になったモデル兼女優、TVパーソナリティーのアンナ・ニコル・スミス。億万長者の夫、ハワード・マーシャルがこの世を去ったとき、遺言にアンナの名前はなかったという。しかし、アンナはコーク・インダストリーズの資産の16%をはじめ、夫の財産の半分を受け取る約束を口頭で交わしたと主張。ところが、ハワードの息子(アンナにとっては義理の息子)、E・ピアース・マーシャルがこれに異議を唱えた。
名誉毀損や破産をめぐって争ったアンナとE・ピアース・マーシャルだが、判決が下される前に2人ともこの世を去ってしまうことに。アンナは自身の息子、ダニエル・ウェイン・スミスにすべてを託したが、彼もまた急死。遺言に記載のなかった娘、ダニーリンについては複数の人物が父だと名乗り出るなど波乱を巻き起こしたが、DNA検査の結果、真の父親が判明。ハワードの遺産に関するダニーリンの相続権を巡って裁判が再開されるかどうかはこの人物次第だ。
失語症を発症し引退を宣言したブルース・ウィリス。その後、認知症を患っていることも発覚した。病の影響で会話に支障が出はじめているため、遺産の行方についてもすでに考えているようだ。
ブルースと元妻デミ・ムーアの間には3人の娘がいる。エンタメサイト「Rader Online」のスクープによれば、ウィリスはデミ・ムーアを相続者リストから外し、娘たちの取り分もそれぞれ「たった」100万ドルだとのこと。その理由は、デミ・ムーアの資産があれば子供たちの養育にかかる費用を十分にまかなえるためだという。
南アフリカ初の黒人大統領として知られるネルソン。マンデラは、3番目の妻グラサ・マシェルに見守られながら95歳でこの世を去った。しかし、ネルソンの死を看取ったのはグラサだけではない。元妻のウィニー・マディキゼラ・マンデラも駆け付けていたのだ。ウィニーは、アパルトヘイト政策と闘うネルソンを38年間にわたって支えたことで知られている。ところが、ネルソン・マンデラの遺書にウィニーの名前はなかった。
さらに、ネルソンが生前、経済的に援助していた年長の孫娘も除外されていたという。遺言で言及されていたのは、その他の孫および継子、自身のスタッフ9人など。
『フォーブス』誌の推定では、純資産25億ドルを誇るとされるオプラ・ウィンフリー。もちろん、いざという時のために備えている。豪誌『Woman's Day』にある関係者が明かしたところによれば、「(オプラは)自身の死に備えて『ベビーたち』の世話をするための信託基金を設立している」というのだが、オプラには子供がいない。一体どういうこと?
オプラは愛犬のセイディ、サニー、ローレンに、自らが築き上げた資産のうち3,000万ドルを譲ることにしているのだ。
ハンガリー出身の著名なマジシャン、ハリー・フーディニー。52歳のときに虫垂破裂で急死したが、その遺言は資産を助手たちやマジシャンの団体、「ユダヤの法典と伝統に則って認められた」家族に遺すというものだった。これだけなら、とりたてて驚くこともないのだが……
モリス・ホール法律事務所によると、ハリーは妻に暗号を残していたらしい。これはランダムな10の単語からなるもので、妻には定期的に降霊術を行うよう指示していたという。彼女はその後、10年間にわたってハロウィンが来るたびに降霊術を試みたが、あの世のハリーから返答はあったのだろうか?
俳優兼コメディアンのロビン・ウィリアムズ。彼の死を嘆いた人は数知れないが、3番目の妻のスーザン・シュナイダー=ウィリアムズと3人の子供たちはおよそ5,000万ドルの遺産を巡って法廷バトルを繰り広げることとなった。
資産を管理するトラストによれば、スーザンはカリフォルニア州ティブロンにある夫妻の邸宅で暮らし、そこにある動産を所有することになっていたという。しかし、法廷でスーザンはトラストの言う「思い出の品」や「宝石」が具体的に何を指すのかで争い、一方の子供たちはスーザンが「自分の取り分を多くするために被相続人の子供たちを蔑ろにしている」と反発。一家を巻き込む波乱の法廷闘争となったが、結局、両者は和解に至っている。
スタートレックの作者ジーン・ロッデンベリーが1991年にこの世を去ったとき、その遺産は5億ドルに上っていた。『Michigan Law Review』誌の記事によれば、ジーンは財産の大半を2番目の妻メイジェル・バレットに譲り、子供たちには50万ドルずつ相続させると遺言していた。これならトラブルは起こりそうにないが……
ジーンは遺言状の中に、いかなる形であれ異議を申し立てる者は相続権を剥奪するという項目を盛り込んでいた。しかし、長女のドーンは、継母のメイジェルが父に遺言を無理やり書かせたとして裁判に訴えたのだ。裁判の結果、メイジェルが勝訴。ドーンは相続権を奪われてしまった。
1991年にHIVによる合併症がもとでこの世を去った伝説のロックスター。クイーンのボーカルとしてフレディが残したものは、音楽やファッションをはじめ多岐にわたる。一方、遺産は大部分が恋人で生涯にわたる親友でもあったメアリー・オースティンの手に渡ることとなった。最後の恋人、ジム・ハットンの取り分は50万ポンド(およそ9,000万円)と、はるかに少なかったそうだ。
メアリーはロンドンのケンジントン地区にある2,500万ポンド(45億円あまり)の邸宅を相続し、今でもそこで暮らしているという。『デイリー・スター』紙が報じたところによると、メアリーは7,500万ポンド(およそ136億円)に上る遺産も受け取っており、この額はクイーンの楽曲およびソロ作品の著作権使用料を含むフレディの全資産のおよそ半分に当たるという。クイーンに関する伝記の著者グレッグ・ブルックスによれば、フレディは以前から「俺が先に死んだら全部彼女に託す。他の奴には一銭も渡さない」と言っていたらしい。
ハーディ映画シリーズのスターとして活躍し、1930年代後半から40年代初頭にかけてハリウッドの稼ぎ頭だったミッキー・ルーニー。そんなミッキーの遺言はというと……
ルーニーは2014年4月にこの世を去ったが、実の息子は相続者リストから外されていた。一方、継子でヘルパーのマーク・アバーには資産の一部が手渡されたようだ。
1980年代から90年代にかけて大ブレイクしたパトリック・スウェイジ。『ダーティ・ダンシング』や『ゴースト/ニューヨークの幻』、『ハートブルー』などで主演を務めている。
元妻のリサ・ニエミが4,000万ドルの遺産すべてを受け取ると、親族との間で軋轢が生じることに。しかも、リサはパトリックの私物を売り払ったあげく、家族に場所を知らせず散骨を行うなど、わざわざ事を荒立てていた。
英国を代表するエンターテイナーとして、『The Generation Game』や『Play Your Cards Right』『Strictly Come Dancing』といった人気番組の司会を務めたブルース・フォーサイス。
ブルースの子供たちが遺産をまったく受け取っていないとされる一方で、9人の孫は21歳を迎えた際にそれぞれ10万ポンド(およそ1800万円)を受け取ることになっているらしい。
若くしてこの世を去った伝説の女優、マリリン・モンローだが、遺産を書き残す余裕はあったようだ。睡眠薬の過剰摂取で他界したとき、マリリンの資産は80万ドル(現在の価値に換算すると700万ドル相当)に上っていた。その75%は、マリリンにとって親代わりだった演技指導者のリー・ストラスバーグと、彼の妻ポーラ・ストラスバーグが相続することとなった。では、2人の死後その財産はどうなったのだろう?
ポーラが他界するとリー・ストラスバーグは28歳の女優アンナ・ミズラヒと再婚。後にリーがこの世を去るにあたって、アンナがマリリン・モンローの遺産を継ぐこととなった。モンローの名を冠した製品のロイヤルティなどで750万ドルあまりの収益を手にしたアンナは、最終的にその権利を約3,000万ドルで売却。最後までマリリン・モンローのことをまったく知らなかったというから驚きだ。