セレブも愛した名車「シボレー・コルベット」70周年

今年で70周年
ソフィア・ローレン
ベティ・スケルトン
パット・ブーン
ジェフ・ベック
XP-755 Mako Shark(1961年)
第2世代(C2: 1963-1967)
ビーチボーイズ
Mako Shark II(1965年)
バイデン大統領
第3世代(C3: 1968–1982)
アラン・シェパード
ジョー・ペリー
第4世代(C4: 1984-1996)
メアリー・ルー・レットン
ノスタルジーを呼ぶドラマ『スティングレイ』(1985)
マイケル・ジョンソン
第5世代(C5: 1997-2004)
ジェイ・レノ
第6世代(C6: 2005-2013)
第7世代(C7: 2014-2019)
第8世代(C8: 2020-現在)
ポール・スタンレー
ミン・ナ
ジェイ・レノふたたび
初のハイブリッド車が登場
今年で70周年

2023年は名車シボレー・コルベット発売70周年にあたる。現行車としては史上最長のロングセラーだ。性能とスタイルをかつてないレベルで両立させた、スポーツカーの象徴とも言える存在で、発売当初から多くのセレブがこぞって買い求めた。この名車の歴史を、ハンドルを握った有名人とともに振り返ってみよう。

ソフィア・ローレン

この革命的な車のハンドルを発売直後に握った一人がイタリアの女優、ソフィア・ローレンだ。ここでは1954年型とともに写っている。

ベティ・スケルトン

ベティ・スケルトンは自動車での最高速度記録も保持していたことがあるほどのスピードマニア。曲芸飛行パイロットでもあり、オートレースや航空業界、宇宙飛行士や広告界に女性が参入する大きなきっかけとなった。そんな彼女が腰掛けているのは独自の改造を経たシボレー・コルベット。1956年頃のフロリダ州デイトナ・ビーチでの写真だ。

パット・ブーン

この写真で運転席に座っているのはポピュラー歌手のパット・ブーン。車は1956年か1957年型で、撮られたのは50年代後半と見られる。

ジェフ・ベック

充実したカー・コレクションで知られるイギリスのギタリスト、ジェフ・ベック。発売されるやいなや殿堂入り級の存在となったコルベットも当然所有していた。写真は1958年頃のモデル。

XP-755 Mako Shark(1961年)

写真はラリー・シノダがデザインしたコンセプトカー、「XP-755 Mako Shark」だ。けっきょく大量生産はされなかったが、コルベットをフィーチャーしたテレビドラマ『ルート66』に登場した。

写真:Chevrolet pre-1978, Public domain, via Wikimedia Commons

第2世代(C2: 1963-1967)

1963年には伝説的モデル、「スティングレイ」が登場。その人気は今でも健在で、コメディアンのジェイ・レノも所有者のひとりだ。

写真:Corvette Sting Ray 1963 5337 ccm 270 HP Foto by Softeis, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

ビーチボーイズ

ここでは超有名バンド、ビーチボーイズのメンバーが1963年式のスティングレイのまわりに集合している。

Mako Shark II(1965年)

初代に引き続きプロトタイプにとどまったが、1965年に作られた「Mako Shark II」はコルベットの試作型の中でも最も大きな影響を及ぼしたと言われている。

バイデン大統領

2020年の大統領選挙のキャンペーンビデオの中で、ジョー・バイデン現大統領は愛車の1967年式コルベットに乗って登場。バイデン大統領はこう語っている:「この車は大好きです。素晴らしい思い出に満ちています。一番好きなのは、ハンドルを握っているとすべてをコントロール出来ているような気分になれるところですね」

写真:Joe Biden / YouTube

第3世代(C3: 1968–1982)

「Mako Shark II」に影響を受けて作られた第3世代は10年以上の長きにわたって生産され、ハリウッドではいたるところを走っていた。1982年のプリンスの曲「リトル・レッド・コルベット」で歌われているのもおそらくこのモデルだろう。

アラン・シェパード

アメリカ人として初めて宇宙に出た宇宙飛行士アラン・シェパード。そんな彼もコルベット愛好者だった。以降長く続くことになる、宇宙飛行士は車好きという伝統の開祖でもある。写真はかつてフロリダのアポロ/サターンVセンターミュージアムで展示されていた彼の1968年式スティングレイだ。

写真:350z33 at English Wikipedia, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

ジョー・ペリー

エアロスミスのギタリスト、ジョー・ペリーとともに写っているのは1975年式スティングレイ。撮影は1975年、マサチューセッツ州ウォルサムだ。

第4世代(C4: 1984-1996)

第4世代C4は1963年以来初めて抜本的に設計が改められ、いままでよりもやや角ばったデザインが特徴となっている。ドラマ『特攻野郎Aチーム』で“フェイスマン”ことテンプルトン・ペックが運転しているのが有名だ。

写真:NickWilson1964, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

メアリー・ルー・レットン

アメリカの女子体操選手の星メアリー・ルー・レットン。1984年にロサンゼルスオリンピックで金メダルを獲得した後、自分のお金でコルベットの新車を買ったのだとか。

ノスタルジーを呼ぶドラマ『スティングレイ』(1985)

1985年には、「スティングレイ」の名前をタイトルに冠したドラマもスタート。ニック・マンキューゾが「レイ」という名前のミステリアスな人物を演じた。もちろん劇中での愛車は65年型のスティングレイだ。

マイケル・ジョンソン

コルベットを愛したアスリートはほかにもいる。オリンピック金メダリストの陸上選手、マイケル・ジョンソンだ。ここでは愛車のコルベット クーペC4とともに写っている。撮影は1992年1月10日、場所はテキサス州ウェーコだ。

第5世代(C5: 1997-2004)

第4世代の売上も一段落してきたころ、ふたたび抜本的な再設計が行われて登場したのが第5世代C5だ。ポール・マッカートニーも独自カスタムのC5コンバーチブルを所有していた。カラーは青だ。

写真:IFCAR, Public domain, via Wikimedia Commons

ジェイ・レノ

ジェイ・レノはYouTubeの車番組で、C5は「お金で買える中では最高のパフォーマンスを誇る」と語っている。いまでも20,000ドル(現在のレートで約300万円)も出せば買えるようだ。ここでは1999年型のC5とともに写っている。

写真:'Jay Leno’s Garage' / YouTube

第6世代(C6: 2005-2013)

長く続いたコルベットブランドもさすがにC5で最後かと思われたが、エンジニアは改良を続け第6世代C6を発表。新デザインというよりはC5の正統発展型といえ、燃費の改善などが特徴だ。

写真:M 93, CC BY-SA 3.0 DE, via Wikimedia Commons

第7世代(C7: 2014-2019)

2014年にはC7が登場。このころ、メーカー側はコルベットにつきまとっていた「おじさんのおもちゃ」的なイメージを払拭することを目指し、若年層をターゲットに想定。そうした戦略が奏功したのか、あのパリス・ヒルトンもC7のファンとなり、バービー・ピンク色のカスタム仕様を所有している。

写真:Norbert Aepli, Switzerland, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons

第8世代(C8: 2020-現在)

C8では1953年以来ずっとフロントに置かれてきたエンジンの位置が変わり、ミッドシップに。主要モデルはスティングレイ、Z06、そしてE-Rayだ。

写真:Alexander Migl, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

ポール・スタンレー

KISSのギタリスト、ポール・スタンレーはいち早く2022年型のC8を手にしたひとりで、特徴的なメタリックな赤色のデザインにも関与している。スタンレー曰く、KISSが売れたあと最初に買った車がコルベットだったので、まさに「丸く収まった」感じだとか。

写真:Barrett-Jackson / YouTube

ミン・ナ

女優のミン・ナは、誕生日に夫から真っ赤なZ51をサプライズでプレゼントされて天にものぼる気持ちだったとツイートしている。

写真:@MingNa / Twitter

ジェイ・レノふたたび

コルベット愛を公言してやまないジェイ・レノだが、彼は関係者を除けば2023年型のコルベットZ06を運転した最初のひとりでもあったのだという。

写真:'Jay Leno’s Garage' / YouTube

初のハイブリッド車が登場

ブランド70周年を記念して、シボレーは2024年型コルベットE-Rayを発表。初のハイブリッド車であるだけでなく、コルベット史上最速でもある。財力を見せびらかしたいセレブも環境は気にして見せる昨今、この車はこれからのハリウッドを席巻することになるかもしれない。

写真:Chevrolet / YouTube

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