ブラッド・ピットの変遷:ハリウッドデビューから現在まで
長年にわたり、映画界を代表する大物スターとして活躍しているブラッド・ピット。各作品を通してデビューから現在までを見てみよう。ブラッド・ピットはモデルとして活動をスタートし、やがて映画の世界で高い演技の才能を発揮し始めた。
ブラッド・ピットの初主演作品が『リック』。アメリカ合衆国とユーゴスラビアの共同制作という珍しい作品で、太陽光にあたると死んでしまう奇病を抱えた主人公の青年リックを好演した。
無名時代のブラッド・ピットが主演した、日本未公開のショッキング・ホラー。バスケットボールが得意な高校生ドワイトが通う学校で連続殺人事件が起こる。果たしてその犯人は?
ジム・ジャームッシュの作品で撮影監督をしていたトム・ディチロ監督によるインディペンデント作品。主演のブラッド・ピットはエルビス・プレスリー風の大胆なヘアスタイルに挑戦した。
ブラッド・ピットが大ブレイクするきっけとなった作品。脇役だったものの映画史に残る本作で輝きを放ち、世界中の人々を魅了した。
最愛の家族を亡くし、ヴァンパイアとなったフランス移民のルイ・ド・ポワント・デュ・ラックを演じる。ハリウッド俳優としての地位を高めた重要な作品。
デヴィッド・フィンチャー監督のサイコ・サスペンス。ブラッド・ピット演じる若手刑事がモーガン・フリーマンのベテラン刑事役と事件に挑む。当初、キャストにはデンゼル・ワシントンとシルベスター・スタローンの名が挙がっていた。二人は後に出演を辞退したことを悔やんだに違いない。
謎のウイルスが拡散した世界を描くSF作品。主演のブルース・ウィリスの仲間で精神病患者のジェフリーを演じ、絶望と不安にさいなまされる姿を表現。
死神と人間のせつないラブストーリーを描き、ブラッド・ピットの出演作の中でも高い人気を誇っている。アンソニー・ホプキンスとの豪華共演も注目を集めた。
ロバート・レッドフォードの再来といわれたこともあるブラッド・ピット、この二人は『スパイ・ゲーム』で共演を果たし話題となった。ただし、ロバート・レッドフォードは1992年に監督として『リバー・ランズ・スルー・イット』(原題:A River Runs Through It)でブラッド・ピットを起用していたのだが。
ブラッド・ピットはニューヨーク・タイムズ紙のインタビューに対し、「すべてのショットがあまりにも『英雄、ここにあり!』という感じだった。その時『質の高い作品にしか関わらない』と心に決めたんだ」といっている。つまり、あまりお気に入りの作品ではないらしい。
男性ならだれもが憧れるような見事な体形のブラッド・ピットだが、『ファイト・クラブ』の役作りではさらにジムでフィジカルトレーニングを重ね、厳しい食事制限を課したという。そのおかげで、キャリアを代表する名作の一つが誕生した。
プロの殺し屋の役を務めた『Mr.&Mrs. スミス』。当時の彼はジェニファー・アニストンと結婚していたが、本作の撮影を通じてアンジェリーナ・ジョリーとの距離を縮めたという。
監督デヴィッド・フィンチャーと再びタッグを組んだ意欲作。批評家だけではなく観客の間でも好き嫌いが分かれた作品だが、ブラッド・ピットは見事、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。
『ジャッキー・コーガン』では再びクライム・サスペンスの世界に戻り、標的を「優しく殺す」クールな殺し屋に扮した。
ブラッド・ピットにとり初のクエンティン・タランティーノ監督作。サディスティックな性格のアメリカ陸軍中尉アルド・レイン、通称「エル・アパッチ」を体現した。
ブラッド・ピットは終末論的な映画にも参加している。戦地に赴いた過去をもつ元国連捜査官ジェリー・レーンとなり、ゾンビの大群に襲われる終末世界で父親として家族のために立ち上がる。
第二次世界大戦中期を舞台とした作品。戦車の指揮を執るドン・ "ウォーダディー"・コリアーに扮したブラッド・ピットは、『イングロリアス・バスターズ』と『12モンキーズ』を彷彿とさせる。
本作では2008年の金融危機前夜を舞台に、引退したトレーダーのベン・リカートを演じる。主演のクリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリング、スティーブ・カレルとの豪華共演も話題を呼んだ。
陸軍将軍マクマホン役で、戦争作品に復帰した。一部の批評家は、本作におけるブラッド・ピットの演技はフランシス・フォード・コッポラが脚本を書いた1970年の作品『パットン大戦車軍団』でパットン将軍を演じたジョージ・C・スコットにインスパイアされているという。
1960年代のハリウッドにオマージュを捧げたクエンティン・タランティーノ作品。ふたたびブラッド・ピットと組んだタランティーノは、本作でも彼に印象に残る役を与えている。
デビューから長い月日が流れたが、現在もブラッド・ピットは興行的な成功を収めつづけ、批評家から高い評価を受ける人気作への出演を続けている。いつまでも褪せない輝きを放つスター、それがブラッド・ピットなのだ。