プーチン大統領の公認の愛人とは?:アリーナ・カバエワ39歳
ロシアを代表する新体操選手としてアテネオリンピックで金メダルに輝き、ほかの主要な国際大会でもメダルを獲得したアリーナ・カバエワ。世界各国のメディアによれば、彼女は「プーチンの愛人」だとされており、 密かに結婚しているという噂さえある。
欧州連合(EU)と英国は、ウクライナに侵攻したロシアに対する制裁対象リストに、アリーナ・カバエワの名前を加えた。米国の「ニューヨークタイムズ」紙は、ジェイソン・ホロウィッツによるプーチンの秘められた私生活に関する記事を掲載。アリーナ・カバエワがスイス(ルガーノ市)に住んでいたという推測に触れ、同市でロシア大統領の息子を出産したという説を伝えている。
ロシアのプーチン大統領はプライベートを決して表に出さないようにしているが、31歳年下のアリーナ・カバエワとの関係は長年にわたって公然の秘密とされてきた。
ロシア政府はプーチン大統領とアリーナ・カバエワの関係について一切情報を提供していない。その例外は、「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事で伝えられるように、ロシア大統領の息子がスイスで生まれたという疑惑に関し、2015年にロシアの公式報道官が「現実に即したものではない」という発言を行ったことだ。
アリーナ・カバエワがロシア大統領にとって非常に重要な存在であることは、欧州・英国当局にとっても明らかだ。英国のリズ・トラス外相は、ウクライナ戦争で制裁を受けた人々の中にアリーナ・カバエワが含まれていることについて、プーチン大統領の「側近」に圧力をかける狙いがあると説明した。
米国政府は、アリーナ・カバエワを「プーチン大統領に近い協力者であり、その関係性から経済的・物質的な利益を得ている人物」とみなしている。実際、彼女はロシア大統領の財産を秘匿しているとされている。
元五輪アスリートであるアリーナ・カバエワは、1期だけだがロシア議会の下院議員を務めたほか、現在はナショナル・メディア・グループ(ロシアの大手メディアコングロマリット)の会長であり、公の場で存在感を示している。それにも関わらず、ロシア版「コスモポリタン」誌が指摘するように「ロシアで最もミステリアスで秘密めいた女性のひとり」であり続けている。
1983年、ウズベキスタンに生まれた彼女は、わずか4歳で新体操を始めた。たちまちのうちに才能を発揮し、コーチやチームメイトはまだ幼い彼女の生来の才能に目を瞠った。
1998年には、わずか15歳でヨーロッパ選手権で優勝を果たした。2000年シドニーオリンピックでは決勝でフープを場外に出すミスを犯したにも関わらず、銅メダルを獲得。アクシデントがなければ金メダルを獲得していたことだろう。
次のアテネオリンピックではチャンスを逃さず、ロシア代表として金メダルを獲得した。ロシア体操界に大きな影響を与えたアリーナ・カバエワは、彼女の名前を冠した大会が存在するほどである。
2004年、アリーナ・カバエワは、デビューからわずか8年で引退を表明。それまでに世界大会で18個、ヨーロッパ大会で25個のメダルを獲得し、2つのオリンピック大会でメダルを獲得するなど輝かしい記録を残していた。数年を経て現役に復帰するものの、以前のレベルには至らず、3年後に引退した。
選手引退の発表から4年後、ロシアの「モスコフスキー・コレスポンデント」紙はウラジーミル・プーチン大統領が妻のリュドミラ夫人と離婚し、アリーナ・カバエワ元選手と結婚する意向であると報じた。当時、プーチン大統領は56歳、元体操選手は25歳。この新聞は特ダネ報道後に資金難を理由に閉鎖。一部のアナリストによれば、閉鎖の背景にはロシア政府の意向があったとされる。
プーチン大統領の離婚は公式に否定され、記事を掲載した「モスコフスキー・コレスポンデント」社は間もなく閉鎖。指導者のプライベートに踏み込み過ぎた新聞社を潰すためのロシア政府の仕業だとされている。2013年、大統領夫妻は別居を発表した。
当時、アリーナ・カバエワはすでに政治の世界に飛躍を図っており、2007年から2014年まで与党「統一ロシア」の一員としてロシア国会の下院で議席を獲得していた。
現在、アリーナ・カバエワはロシアの主要な親政府系メディアのほとんどに出資を行う持ち株会社「ナショナル・メディア・グループ」の会長を務めている。それゆえ、プーチン大統領支持を国際的に非難されている。
実は、アリーナ・カバエワのナショナル・メディア・グループへの就任は、ロシア銀行の筆頭株主で、プーチンが最も信頼するオリガルヒの一人、ユーリ・コバルチュクの提案で2014年に実現したものだ。
プーチン大統領とアリーナ・カバエワの出会いは、現代ロシアにおける大きな謎の一つとなっている。
もちろん、大統領と著名なスポーツ選手との対面は一般的なことととして行われている。
実際、2001年には早くも両者の公式対面が行われ、プーチン大統領からアリーナ・カバエワに対し大きな栄誉となる「ロシア連邦友好勲章」が贈られている。当時、体操選手は18歳、大統領は49歳だった。
歴史的対面から20年余り、世界のマスコミの一部は、プーチン大統領とカバエバには子供がいるとしている。問題は、一体何人いるかということだ。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙は、2015年に大統領とカバエワの間に子供が1人生まれており、2019年にはモスクワで双子が生まれたと報じている。
プーチンの私生活に関連するあらゆる情報と同じく、アリーナ・カバエワはまさに謎に包まれた存在となっている。