ミス米国2019(Miss USA)のチェスリー・クリスト、ニューヨークの高層ビルから転落
1月29日日曜日の朝、ニューヨークの高層ビルの真下で女性の遺体が発見されました。当局により、遺体は2019年ミス米国に輝いたチェスリー・クリストのものと特定されました。
2019年ミス米国大会に優勝した彼女はニューヨーク・マンハッタンにそびえる高級マンション「オリオン・コンドミニアム(Orion Condominium)」に住んでおり、高層階から飛び降りたとされています。享年わずか30歳でした。
「ニューヨーク・ポスト」紙によれば、チェスリー・クリストが住んでいたのはマンションの9階で、その姿が最後に目撃されたのは建物の29階、同行者の姿はなく1人でいたとされています。
残された遺族はCNNに声明を発表しました:「愛するチェスリーを失い、たとえようもない悲しみに打ちのめされています。彼女の強さとまばゆい美しさは世界中の人たちにインスピレーションをもたらしてきました。チェスリーは人々を気遣い、愛し、笑い、輝いたのです」
さらに声明は述べています:「チェスリーは社会正義のために戦う弁護士として、ミス米国として、そして(エンターテイメントニュース・サイト)「ExtraTV」のリポーター役として、愛を体現し、まわりの人々に尽くしました。しかし、彼女は何よりもまず私たちの娘、姉妹、友人、相談相手、相棒であって、彼女の遺したものは私たちの中でこれからも生き続けるでしょう」
チェスリー・クリストは類まれな美しさと共に明晰な頭脳の持ち主でした。2つの大学で3つの学位を取得し、アメリカの司法制度改革への貢献を目指す弁護士だったのです。
さらに、不当な判決を受けた可能性のある受刑者減刑を行い、正義を実現するために、こうした人々の支援活動をしていました。
警察関係者は「ニューヨーク・ポスト」紙に対しこうもらしています:「チェスリー・クリストは誰もがうらやむような人生を送っていたというのに、こんな悲劇が起こるとは......」
チェスリー・クリストは女性の仕事着をテーマとするファッションブログ「ホワイトカラーグラム」を運営、さらに、経済的自立を目指す女性を支援するNPO「ドレス・フォー・サクセス」にも協力していました。
サウスカロライナ大学では学業のほかに、陸上競技選手としても活躍しました。
元ミス米国はエンターテインメントニュースサイト「ExtraTV」のリポーターとしても人気を得ていました。また、CNNはスタッフの一人を悲劇的な形で失ったことについて声明を発表:「私たちの心は打ちのめされています。チェスリーは大切な番組スタッフの一人であるだけではなく、「エクストラ」ファミリーの敬愛すべきメンバーであり、ご遺族や友人と同様、スタッフ全員が深い悲しみに沈んでいます」
元ミス米国で弁護士のチェスリー・クリストは、死の直前にインスタグラムに写真を投稿、「今日という日があなたに安息と平和をもたらしますように」とコメントを付けていました。
写真:Instagram / @chesliekryst
「ニューヨーク・ポスト」紙は、母親に「すべて託す」と書かれた遺書のようなメモが見つかったと伝えています。しかしこのメモには、人生に幕を引きたいといったコメントは一切なかった、としています。
チェスリー・クリストの母親も2002年にミス・ノースカロライナを受賞した、ミス・コンテストの優勝者でした。
写真:Instagram / @chesliekryst
2019年10月、チェスリー・クリストは世界メンタルヘルスデーに関する記事をフェイスブックに投稿、彼女自身のストレス対処法をシェアしました。また、自身のカウンセラーについて「とても話しやすく、とくに私が悲しいときや幸せなときに気持ちを察してくれ、多忙な時期には素晴らしいアイデアを与えてくれます」とコメント。
投稿は次のように続きます:「カウンセラーと会わない日は、一日の終わりにリラックするようにしています。ネットワークのプラグを抜いて、電話は切り、メッセージにも答えません。ゆっくり好きな映画を観て過ごします。」
チェスリー・クリストがミス米国に輝いた2019年は、初めてミス米国、ミスティーン米国、ミスワールドのすべてで黒人女性が優勝した特別な年でした。
ミス・ユニバースの主催者もチェスリー・クライストとの別れを惜しむ声明を発表したほか、ニューヨークのNBCテレビも彼女について「これまでに出会った人の中で最も明るく、温かく、親切な人の一人」とコメントしました。あらゆる分野の人々が彼女のあまりにも早い死に追悼の意を表しています。