2025年に出版される海外注目書籍:著名人エッセイから小説まで

ビル・ゲイツ回顧録『Source Code: My Beginnings』(2025年2月刊行、邦訳未定)
ティナ・ノウルズ回顧録『Matriarch: A Memoir』(2025年4月刊行、邦訳未定)
グレゴリー・マグワイアの小説『Elphie』(2024年刊行、邦訳未定)
オマル・エル=アッカドのノンフィクション『One Day, Everyone Will Have Always Been Against This』(2025年2月発売、邦訳未定)
Zee Carlstromの小説『Make Sure You Die Screaming』(2025年4月刊行、邦訳未定)
メリンダ・フレンチ・ゲイツ回想録『The Next Day: Transitions, Change, and Moving Forward』(2025年4月刊行、邦訳未定)
アン・タイラーの小説『Three Days in June』(2025年2月刊行、邦訳未定)
マリス・クライツマンのエッセイ集『I Want to Burn This Place Down』(2025年7月刊行、邦訳未定)
ケルシー・グラマー回想録『Karen: A Brother Remembers』(2025年5月刊行予定、邦訳未定)
ブルック・シールズ回想録『Brooke Shields Is Not Allowed to Get Old』(2025年1月刊行、邦訳未定)
ビル・ゲイツ回顧録『Source Code: My Beginnings』(2025年2月刊行、邦訳未定)

マイクロソフト創業者であるビル・ゲイツ氏の回顧録が今年2月に出版予定だ。日本語訳の発売は未定だが、本書ではテクノロジーやマイクロソフトの話題に加え、ゲイツ氏の幼少期の思い出、友情、そして事業の立ち上げについても詳述されている。

ティナ・ノウルズ回顧録『Matriarch: A Memoir』(2025年4月刊行、邦訳未定)

世界的大スターであるビヨンセとソランジュの母親であるティナ・ロウルズは、いかにして二人の娘を育てたのだろう。この回想録では、ロウルズ自身の生い立ちから語り起こされ、その人生において彼女が得た教訓が明かされる。

グレゴリー・マグワイアの小説『Elphie』(2024年刊行、邦訳未定)

グレゴリー・マグワイアの小説『ウィキッド』は、ブロードウェイミュージカルとして大人気を博したばかりでなく、映画でも並外れた成功を収めている(映画『ウィキッド ふたりの魔女』は、米国では昨年11月公開、日本では2025年3月公開)。『ウィキッド』はフランク・ボームの『オズの魔法使い』に出てくる「西の悪い魔女」にスポットライトを当てるものだったが、本作『Elphie』はその前日譚というべきもので、「悪い魔女」になる前の主人公エルファバの過去が語られる。

写真:Universal Pictures

オマル・エル=アッカドのノンフィクション『One Day, Everyone Will Have Always Been Against This』(2025年2月発売、邦訳未定)

『One Day, Everyone Will Have Always Been Against This』は、エジプトに生まれ今はアメリカに住む小説家オマル・エル=アッカドが初めて世に問うノンフィクション作品だ。同作を貫く問いは、「アメリカ人であるとは現在、どういうことを意味しているのか?」。大きな事件がいかにして国民を形づくり、共同体を形づくってきたのか。テロとの戦争や「ブラック・ライヴズ・マター」、そしてガザの人道危機を経て、米国民の同情心や共感のあり方はどのように変わったのか、あるいは変わらなかったのか。「アメリカ人」という概念は、同書を読む前と読んだ後ではまったく別のものになっているだろう。

Zee Carlstromの小説『Make Sure You Die Screaming』(2025年4月刊行、邦訳未定)

Zee Carlstromの小説家デビュー作『Make Sure You Die Screaming』は、タイトルが示すとおりスリリングかつ混沌としてた内容である。出版元のマクミラン社HPによると、この小説の語り手はノンバイナリーで燃え尽き症候群の人物であり、その語り手が行方不明になった陰謀論者の父を探すため、盗難車に乗ってシカゴからアーカンソーへの旅に出るという内容だという。

メリンダ・フレンチ・ゲイツ回想録『The Next Day: Transitions, Change, and Moving Forward』(2025年4月刊行、邦訳未定)

ビル・ゲイツの元妻、メリンダ・フレンチ・ゲイツ(1964年生まれ)の回想録が4月に出版される。彼女は昨年6月『タイム』誌に現在の心境をこう語っていた。「まあ、わたし60歳になるのね。もっといろんな人々と関わり合って、旅ももっとしなければ。だってまだまだ学びたいし、世界は今も動いていて、変化しつつあるのだから」。ビル・ゲイツの回想録と読み合わせると、思わぬ発見があるかもしれない。

アン・タイラーの小説『Three Days in June』(2025年2月刊行、邦訳未定)

アン・タイラーは1941年生まれの米国の作家で、これまで出版された本は長編小説にかぎっても20作以上にのぼり、11作目の『ブリージング・レッスン』(1988年)でピューリツァー賞を受賞している。2月に刊行を控える小説『Three Days in June』の主人公は、娘の結婚式を翌日に控えて職を失った女性。そんな主人公のもとに元夫が訪ねてきて……。版元ランダムハウスのHPによると、「愛と結婚、家族の生活にかんする悲喜こもごもを、深い感受性と辛辣なユーモアのセンスをもって語る」一作とのこと。

マリス・クライツマンのエッセイ集『I Want to Burn This Place Down』(2025年7月刊行、邦訳未定)

前出のオマル・エル=アッカドのように、エッセイストで批評家のマリス・クライツマン(写真右)もまた、現代アメリカ社会にたいして痛烈な批判をつきつける。この新しいエッセイ集では、彼女がいかにして「品行方正な優等生」状態を脱したか、そしてこの世界をより公平なものにするためには多少のルールを破ることも避けられないと考えるに至ったかが語られるという。

ケルシー・グラマー回想録『Karen: A Brother Remembers』(2025年5月刊行予定、邦訳未定)

俳優にしてコメディアンのケルシー・グラマーは、米人気シットコム『チアーズ』のフレイジャー・クレイン役で有名だが、その過去に影を落とす悲劇についてはあまり知られていない。1975年、当時18歳だった妹のカレンが誘拐され、性的暴行を受けて殺害されたのである。この事件は当時20歳だった兄の心を深く傷つけた。今彼は重い沈黙を破り、亡き妹のことを語り始める。

ブルック・シールズ回想録『Brooke Shields Is Not Allowed to Get Old』(2025年1月刊行、邦訳未定)

1980年代を代表するスター、ブルック・シールズの回想録では、「ブルック・シールズは老いること許されていない」を意味するタイトルのとおり、彼女がこれまでいかなる努力を払いながら年齢を重ねてきたかが語られる。彼女のキャリアにはつねに、「エイジズム」(年齢差別)との対決というテーマがあった。米女性誌『オプラ・デイリー』は本作を評して、「エンパワリングで前向き、そして洞察に富んでいる。私たちミドルエイジの在り方を示す一冊」としている。

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