せっかく宝くじに当たったのに、幸せをつかめなかった各国の人々
年末シーズンには多くの人々が幸せを願って宝くじを手にするものの、それがきっかけで人生が狂ってしまう例も少なくない。ここでは、宝くじに当選し、大金を得ながらも不幸に陥った世界各国の人々をみてゆこう。
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当時27歳だったグアテマラ出身でヒューストン在住のホセが、宝くじで大当たりした。しかし、彼は不法移民者だったので、雇用主だったエリック・セルバンテスに賞金を換金してもらい、75万ドルの当選金を受け取ろうとした。
画像:YouTube @Univision Noticias
ホセは宝くじを換金すれば、不法移民であることがばれてしまうと恐れたのだ。しかし、エリックはその状況を利用し、ホセの当選金を横取りしようとした。『Macon Telegraph』紙によれば、ホセは後にエリックを訴え勝訴している。
ホセは裁判に勝訴することはできたが、賞金の大半を弁護士費用と税金に費やさなければならなかった。宝くじ専門のアナリストによれば、更にホセは2011年に飲酒運転で逮捕され、最終的にグアテマラに追放されてしまったという。
デニス・ロッシは1996年に130万ドルの宝くじに当選するも、その幸運を夫のトーマス・ロッシと共有したくないと考えた。そこでデニスは宝くじに当選したことを秘密にし、25年間の結婚生活に終止符を打った。
画像:Twitter @lotterycritic
『ロサンゼルス・タイムズ』によれば、トーマスは後に元妻が宝くじに当選していたことを知り、デニスを訴えた。高等裁判所の判事リチャード・デナーは、デニスの裏切りを詐欺行為とみなし、トーマスが宝くじの賞金金額の全額を受け取る権利があるとの判決を下した。
後にデニスは、配偶者の暴力が原因で宝くじの当選を秘密にしなければならなかったとし、デナー判事の判決を不服として控訴した。しかし、控訴裁判所は彼女の訴えを退けた。
エブリン・アダムスは、史上初めて高額宝くじに2回当選し、計540万ドルという大金を手にした人物だ。しかし、残念なことに、エブリンはギャンブル依存症だった。
アメリカ版『ザ・サン』紙によれば、エブリンは2012年までに全ての賞金を使い果たしてしまった。スロットマシンやアトランティック・シティのカジノ、失敗に終わった一連のビジネス取引で一文無しになってしまったという。
エブリンはレポーターのアドリアナ・エルグアタにこう語っている:「宝くじに当たるというのは、それほど良いものではありません。もし全てをやり治すことができたなら.....」しかし、エブリンはこう付け加えた:「私は一流のギャンブラーでした」
2018年、バーバラ・レディックはノバスコシア州の宝くじ売り場「チェイス・ザ・エース」で、当選金額122万2639カナダドルと書かれた紙を手に、甥のタイロン・マキニスと喜びを分かちあっていた。しかし、レディックはテレビ中継中に、甥と賞金を山分けしなければならないことに気づき気分を害してしまう。
画像:YouTube @CBCNews
当選金の配分に怒ったレディックは、甥と「チェイス・ザ・エース」相手に、宝くじを購入したのは自分なのだから「法廷で会いましょう」と言い放った。CBCニュースによれば、確かに宝くじを購入したのはレディックだが、当選券には2人の名前が記入されており、紐づけされた電話番号は甥のものだった。
レディックはマキニスと「チェイス・ザ・エース」を提訴した。その結果、山分けではなく宝くじ売り場の取り分は85万カナダドル、甥は35万ドルを受け取ることになった。レディックは記者団にこう語っている:「今後は決して宝くじに他の人の名前を入れることはしません。特に家族の名前は。大きな傷を残しますから」
高額宝くじ当選者ジェラルド・マスワゴンの物語は、かなり憂鬱なものだ。
Photo by Twitter @lotterycritic
『グローブ・アンド・メール』紙によれば、ジェラルドは1998年にカナダのスーパー7で1000万ドルを獲得した。しかし、わずか7年で全てを使い果たしてしまう。アルコール依存症になってしまったのだ。
ジェラルドは絶望のあまり自ら命を絶ち、億単位の額の宝くじ当選が人生が狂わせてしまうことを象徴する存在となってしまった。
2003年、わずか16歳で187万ポンドの当選金を手にし英国最年少の高額宝くじ当選者となったカーリー・ロジャース。イギリスの『Daily Star』紙によれば、当時カーリーは事態をかなり冷静にとらえ「いくつかのアドバイスを受ける」「たくさん使わない」としていた。
「私は今まで通り、同じ店で買い物をし、同じように生きるつもりです」カーリーは宝くじ当選後の記者会見ではそう語っていたが、彼女の人生は当選金を受け取ってからたちまち狂っていく。
『Daily Star』紙によれば、カーリーは巨額の賞金を手にした後、ドラッグパーティー、ブランド品、3回の豊胸手術を含む美容整形に数千ドルを費やしたとしている。
『Daily Star』紙によれば、カーリーは人々が当選金のおこぼれにあずかろうと近づいてくるのをみて、突然人間関係を維持するのが難しいと感じるようになった。
そして、たった数年でカーリーは当選金の全てを使い果たしてしまう。数年後、カーリーは当選金の使い道を後悔することになる。
「ひとりの若者にとって、余りにも多くのお金でした」カーリーはITVの『This Morning』のインタビューで語った。「巨額を手にしても人生は変わらないと思っても、そういうわけにはいきません。そして、しばしば悪い方向に進むこともあります」カーリーの後悔の念は、今回紹介した他の当選者たちにとっても身にしみるものであろう。