日本を飛び出し海外での挑戦を続けるお笑い芸人たち
近年、日本の「お笑い」文化が海外でも少しずつ受け入れられている。それを支えているのが、母国を飛び出し、海外にも活躍の場を広げるお笑い芸人たちだ。今回はそんな彼らの挑戦のきっかけや現地での活躍について見ていこう。
海外では、「TONIKAKU」もしくは「TONY」という名前で親しまれている、とにかく明るい安村。2023年6月に、英人気オーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』で日本人初となる決勝進出を決め、話題となった。パンツ一丁で一糸纏わぬ姿に見えるポーズを披露するネタを定番としており、決め台詞の「安心してください、履いてますよ」をイギリスでは「Don’t worry, I’m wearing」と表現。審査員や観客は「Pants!」と返すというコールアンドレスポンスで会場を沸かせた。
その後はフランス版『ゴット・タレント』にあたる『ラ・フランス・ア・アン・アンクロワイヤブル・タロン』にも出演を果たす。フランス語で「Pas de souci, j'ai mon slip!」と安村が叫ぶと、「j'ai mon slip!」(パンツを履いている)の部分を観客がともにコールし、こちらも大盛り上がりを見せた。
海外でも確固たる地位を築いているお笑い芸人と言えば、渡辺直美だろう。2014年にニューヨークへ短期留学したことがきっかけとなり、2016年には芸歴10周年を記念し、自身にとって初となるワールドツアー「Naomi Watanabe WORLD TOUR」を実施。ニューヨークやロサンゼルス、台北を巡った本ツアーは大盛況のうちに幕を閉じた。
2018年には、米誌『タイム』の「インターネット上で最も影響力のある25人」の1人に選出。その後2021年にニューヨークへ移住し、現在はアメリカで仕事をしながら、日本でもテレビや舞台に出演するなど、世界を股にかけて活躍する存在となった。
渡辺と同じく吉本興業に所属するお笑いコンビ、ピースの綾部祐二も、2017年から活動の拠点をニューヨークに移している。アメリカに行こうと思ったきっかけについて、綾部は「WebLEON」にて以下のように語っている。「女性でいうと、すごく惚れちゃって、ず~っと気になって忘れられないから、『もうつき合いに行こう』って、渡米した感じですかね」
とにかく明るい安村同様、海外のオーディション番組に果敢に挑戦したのがゆりやんレトリィバァである。2019年6月、アメリカのオーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント』に出演するも、公開オーディションの1回目で惜しくも敗退。しかしながら、時にはジョークも織り交ぜつつ流暢な英語で審査員と会話を繰り広げ、会場を大いに盛り上げた。
2024年9月に活動拠点をアメリカに移すことを発表。お笑い芸人としての活躍、そしてハリウッドスターになりたいという目標を胸に、同年12月に渡米を果たした。2024年9月12日放送の『めざまし8』で、アメリカ渡航を決めた理由についてゆりやんはこう語っている。「なんか恋愛と同じで、タイミングが…たまたま生まれたみたいな感じですかね。 私、もともとアメリカに住みたいとか、アメリカで働きたいって子供の頃に思っていて、『バックトゥザフューチャー』見て、アメリカに憧れていたんですよ」
2020年頃から渡米に向けて、相方の中川パラダイスや所属事務所の吉本興業と話し合いを進めてきたウーマンラッシュアワーの村本大輔(画像左)。コロナ禍の影響もあり、2024年2月から念願のニューヨークに渡り、観衆との対話形式で笑いを取るスタンダップコメディアンとして日々活動しているという。
画像:Kyodo / Kyodo News Images
外国への憧れや留学を機に、日本を飛び出し海外での挑戦を続けるお笑い芸人たち。そんな彼らの活躍から今後も目が離せない。