17歳を迎えたスペインのレオノール王女:めざましい成長を遂げる未来の女王
10月31日に17歳の誕生日を迎えたレオノール・デ・ボルボン・イ・オルティス王女。スペイン王家の長女として生を享け、少女から高貴なレディへと目覚ましい成長を遂げつつある。
とはいえレオノール王女はまだ若く、ティーンエイジャーらしい面も持ち合わせている。幼少時代から現在までのレオノール王女の成長の軌跡を追ってみよう。
2005年10月31日、レオノール王女はスペインのマドリードで生まれた。父親のフェリペ皇太子(現スペイン国王フェリペ6世)は長女の誕生について、「誰の人生にも起こりうる、最も幸せな出来事だった」とメディアに語っている。スペイン王室の伝統に従い、2006年6月7日、両親に抱かれてレオノール王女は宮廷の守護聖人であるアト―チャの聖母を祀る教会を訪れた。
2007年5月、前月末に誕生した妹のソフィア王女と対面。
2008年9月、3歳の誕生日を前に幼稚園に入園する。夏休みはエレナ王女(フェリペ国王の姉)と従妹たちと一緒に過ごした。レオノール王女は惜しみない愛情を注がれて成長していった。
スペイン王室の側近たちによると、レオノール王女は昔からとても物静かで、気品があり、優しい性格をしているのだそう。
レオノール王女は父親に良く似て、幼い頃から自分が王女であることを強く意識していた。スペインの王室担当記者たちは、口を揃えてそう語っている。
スペイン王女という重責を担う彼女は、幼い頃から同年代の子どもたちとはまったく異なる経験をしてきた。例えば2011年8月、マドリードを訪れたローマ教皇ベネディクト16世に謁見している。
レオノール王女と妹のソフィア王女は、幼少の頃から夏の休暇をマヨルカ島で過ごしている。父親が姉のエレナ王女やクリスティーナ王女と共に子供時代を過ごしたように。
レオノール王女にとって最も重大な出来事のひとつは、2014年6月にアストゥリアス王女となり、スペイン王位継承順位第1位となったことだ。
上の画像は、祖父のフアン・カルロス1世が退位し、父親のフェリペ6世が即位した時のもの。
2014年6月18日の戴冠式の日、レオノール王女はまだ8歳だったにもかかわらず、堂々とした態度で臨んだ。彼女は文字通りのプリンセスになりつつあったのだ。
王女たちの見事な成長ぶりは、母であるレティシア王妃が王族である二人の娘の教育に気を配った結果だと多くの人が語っている。
レオノール王女や他のロイヤルファミリーのリラックスした写真は、夏のマヨルカ島でキャッチされることが多い。編み込みにしたレオノール王女は、プリンセスとしてのプレッシャーから解き放たれたかのような表情をみせている。
いつも姉の傍にいるのはソフィア王女。仲の良い妹の存在は、まだ若い王女にとって大きな支えになっているという。
父親であるフェリペ国王とも仲がよく、一緒に笑い合う姿がよく目撃されている。
レオノール王女(左)は、妹のソフィア王女(右)より若干内気な性格だと、長年に渡りメディアは報じている。また、父親譲りの思慮深い性格で、責任感が強いことでも知られている。
レオノール王女とソフィア王女は、優れたファッションセンスの持ち主で、いつも身だしなみを完璧に整えた母親をファッションのお手本としている。
レオノール王女は12歳の誕生日を記念して、初めて公式ポートレートを撮影した。マドリード王宮を背景に、キャロライナ・ヘレラの赤いドレスに身を包んだ王女は晴れやかな笑顔を浮かべている。
2018年1月30日、50歳を迎えた国王フェリペ6世の誕生日は、レオノール王女にとっても重大な日となった。父親からスペイン最高位の勲章である「金羊毛騎士団」が贈られたのだ。
レオノール王女は少しずつ大人の階段をのぼっている。マナーや振る舞いだけでなく、服装や髪形の変化にも成長の証を見て取ることができる。
2018年9月、両親と共にアストゥリアス州コバドンガを訪れた時、母親も身に着けたことがあるフレンチスリーブのツイードドレスをセレクト。
2018年10月31日、13歳の誕生日を迎えたレオノール王女は、「スペイン1978年憲法」制定40周年を祝うセレモニーで見事な初スピーチを行った。
あっという間に幼い少女からティーンエイジャーになったレオノール王女。時が経つにつれ王女はより多くの責任を担うようになり、それに伴う自覚を深めつつある。
王女としての役割を意識しつつあるレオノール王女は、かつてのシャイな少女から、自身に溢れ大人びた雰囲気を漂わせるようになってきた。
2019年10月、自らの名前「アストゥリアス王女賞」を冠した式典で、二度目となる公の場でのスピーチを堂々と披露した。
レオノール王女はその年齢にかかわらず、かなり主体的に行動している。もちろん両親も良き道しるべとなり、王女を全面的にサポートしている。
2019年の「プリンセス・オブ・ジローナ財団賞」の授賞式で、レオノール王女は堂々とした振る舞いと、流暢なスピーチを披露した。また、カタルーニャ語を含む複数言語を使いこなしてみせた。
レオノール王女はスペイン語と英語を話すことはもちろん、カタルーニャ語やフランス語に堪能で、アラビア語や中国語もたしなむ。
2020年はレオノール王女が制服で過ごす最後の年だった。制服に別れを告げ、英国のウェールズにある寄宿学校に留学した。
公式行事ではいつもバレリーナシューズを履いていたレオノール王女だが、2020年の「アストゥリアス王女賞」の式典ではヒールのある靴で姿を登場、多くの人に新たなイメージを与えた。
この公式ポートレート写真は、写真家のエステラ・デ・カストロが2020年に撮影したものだ。家族4人で一緒に撮った公式写真セットのうちの一つで、子どもからティーンエイジャーへと美しく成長していることがわかる。
レオノール王女は環境問題に配慮する21世紀の王女だ。2021年7月、マドリード近郊の町で若者たちと一緒に木の植え替えを行うイベントに参加した。この日のファッションは、ジーンズにベーシックな白いTシャツ。
スペインのファッションブランド「Cayro Omán」の、モダンで少し大人っぽいカッティングのフューシャピンク色のドレスに身を包んで、ガリシア州にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂を訪れた。
新しい学校、ウェールズにあるアトランティック・カレッジで、レオノール王女は世界各国から集まった若者たちと一緒に授業を受けている。奨学金を受給している生徒も多く、社会的背景もさまざまだ。
もちろん、レオノール王女は奨学金をもらっているわけではない。フェリペ国王とレティシア王妃が、大学進学準備コースの2年間の学費として約76,500ユーロを支払っている。
休日や特別な日は里帰りをして家族と共に過ごす。
オビエドで開催された2021年の「アストゥリアス王女賞」の式典で、レオノール王女はスペインブランド「Bgo & Me」のブラックとゴールドの60年代風ファッションに身を包んだ。シンプルな、しかし以前よりも少しかかとの高い黒のシューズを合わせている。
若い王女がウェールズの寄宿学校を卒業した後は、士官学校に進むのではないかと複数のメディアが示唆している。
フェリペ国王はスペイン王位継承権を持つ娘のために、大切な未来へ向けてさまざまな準備をさせている。
若きレオノール王女がさらなる成長を遂げ、いつかヨーロッパ王室を代表する女王の一人となる日を楽しみにしたい。