あなたはどんな「恐怖症」?:閉所や高所、クモにピエロ……
「恐怖症」について『大辞泉』をひくと、「そう感じることが無意味であると思いながら、特定の事物や状況に対して強い不安や恐怖を感じる神経症」とある。つまり人によってさまざまで、場合によっては自分の恐怖がなかなか理解してもらえない、ということも起こる。
特定の動物に対する恐怖、広い空間への恐怖、孤独感、暗闇に対する恐怖、等々。恐怖症は、存外ずっとありふれたものである。身近な恐怖症をいくつか見ていこう。
写真:Unsplash - Jez Timms
飛行機恐怖症はごくありふれており、航空会社は機内の乗客がそのような不安の発作に襲われた場合、しかるべきオペレーションをとれるよう万全の体制を整えている。飛行機恐怖症は、つきつめると高度恐怖症だったり、閉所恐怖症だったりすることもある。
写真:Unsplash - Josue Isai Ramos Figueroa
犬に対する恐怖は、犬のサイズや犬種とは無関係に、犬という犬にさし向けられた恐怖である。総じていうと、過去のトラウマ的な経験に由来しており、とりわけ幼少期のトラウマに根ざす場合が多い。
写真:Unsplash - Christoph Schmid
閉ざされた空間への恐怖はよく知られている。エレベーター、部屋、車、地下鉄等、人を閉じ込める可能性のある空間一般がもたらす恐怖である。
写真:Unsplash - Kazuo Ota
雷恐怖症とは、雷鳴や稲妻、嵐や暴風雨への恐怖、そして雷に打たれるのではないかという恐怖を指す。子供にありがちな不安だが、大人になっても続くことがある。この不安障害を抱える人は、多くの場合、部屋のすみにうずくまって雷をなんとかやり過ごそうとする。
写真:Unsplash - Alexandre Brondino
血液や傷口への恐怖は、これも多くの人が身に覚えのあるものであり、めまいや失神、急激な発汗を伴うなど、おおごとになりがちだ。針への恐怖と結びつくことが多く、とくに針を刺す瞬間と刺した針を引き抜く瞬間の恐怖はひとしおである。
写真:Unsplash - National Cancer Institute
暗闇への恐怖は、子どもに広く見受けられる恐怖である。暗闇のなかを想像(妄想)が飛び交い、怪物や亡霊がうろつくことは、子供時代にはさして特異なことではない。
写真:Unsplash - Carolina Pimenta
高所恐怖症は、高層階やバルコニー、屋上、飛行機、その他の高所にまつわる恐怖である。窓辺に近づくことができなかったり、ガラス張りのエレベーターに乗れなかったりする場合もあり、社会生活に支障をきたしうる恐怖症だ。
写真:Unsplash - Samson
巨大なクモ、見た目が毒々しいクモであれば、誰もがぞっとするだろう。そのような普通の反応とクモ恐怖症は区別される。クモ恐怖症の人はどんなに小さなクモにも耐えられない。一度でもクモを見かけた場所には、もう金輪際近づかないという人もいる。
写真:Unsplash - Dev Leigh
都会でヘビを見かけることは少ない。もし見かけたとしても、大方の場合はこちらがぎくっとするだけで直接的な害はない。ところがヘビ恐怖症の人はその「ぎくっ」の程度が桁違いで、ヘビを見かけるとたちまちに体がすくみ、身動きがとれなくなるという。
写真:Unsplash - David Clode
動物一般に対する恐怖を獣恐怖症という。獣恐怖症の人は、猫やネズミ、牛や馬や鶏など、あらゆる獣に対して恐怖を覚える。
写真:Unsplash - Ben Moreland
広場恐怖症の人は、ひらけた場所で何か思いがけない出来事が持ち上がったとき、どこからも助けが期待できないのではないか、というおびえを抱えている。このおびえがひどくなると、しまいには家から一歩も出られなくなる。
写真:Unsplash - Marco Biondi
歯科医への恐怖は、もっともな理由をいくつも挙げることができる。治療中の身体的な痛みもあるし、治療後の財布的な痛みもある。歯科恐怖症の人は、虫歯になっても痛みにじっと耐え、どうしても歯医者に行こうとはしない。
写真:Unsplash - Engin Akyurt
死にまつわる恐怖は、かならずしも自身の死ではなく、死そのものや、それにまつわる事物に付随しても起こる。たとえば葬儀場へ行くこと、病院へ行くこと、棺をのぞきこむこと、または誰かの死体、動物の死骸を思い描くことでも恐怖は起こりうる。テレビのニュースで誰かの訃報に接するだけで、死亡恐怖症の人は体が凍りついてしまうことがままある。
写真:Unsplash - Linda Gerbec
乗物恐怖症はとりわけ、車に乗ることを病的に恐れるという形をとる。過去の事故のトラウマによって発生することもあれば、特にこれといったきっかけもなく発症することもある。この恐怖症のせいで、二度と運転ができなくなった人もいる。
写真:Unsplash - Art Markiv
この恐怖症の人は、人混みによって大きな不安を感じ、パニックの発作に襲われる。したがって、彼らは参加者の多く集まる機会を避け、社交生活を極限にまで切り詰める。コンサート会場のような人混みを想像するだけで、恐怖の発作を引き起こすのに十分なケースさえある。
写真:Unsplash - Craig Whitehead
ピエロを極端に怖がることは、小児では珍しくない。しかしまれに、青年期に入った人や大人でもこの恐怖症が見られることがある。過剰なおしろい、赤っ鼻、そして正体を隠しているという事実が、そのような人をさらに恐れさせるという。
写真:Unsplash - Zorik D.
食べ物が喉に詰まるのではないかという恐怖は、実際に食べ物が喉に詰まった経験から生じることが多く、一度生じると日に日に顕著になっていく。固形物を食することを諦め、液体や流動食で栄養を摂る人もいる。さらには、喉を詰まらせる恐怖から経口薬の錠剤を口に含むことができず、自身の健康状態を危険にさらしてしまう人もいる。
写真:Unsplash - Elena Leya