除雪機事故から3か月、歩行を始めたジェレミー・レナー
今年の元旦、除雪車に轢かれる大事故に遭った米俳優、ジェレミー・レナー。あれから3か月、一命をとりとめて退院してからは車いす生活を余儀なくされていたが、ついに自分の足で立ち上がったという。
3月27日、ジェレミー・レナー本人が動画を投稿し、リハビリ用マシン「反重力トレッドミル」で歩行訓練を始めたことを伝えた。これは下半身への負担を軽減した状態でトレーニングを行うためのマシンで、ジェレミーの投稿によれば「自分の体重の40パーセントしか感じない」そうだ。
写真:Instagram - @jeremyrenner
大怪我からのリハビリに励む一方、ジェレミーは心理面の回復にも取り組んでいる。「今は私の身体をしっかり休め、気持ちを回復させるときです。自分の時間を"何か"で満たし、気持ちも身体も前向きにする必要があります」とツイッターのアカウントに投稿した。
写真:Mayor of Kinsgstown - Paramount +
1月1日の事故そして入院以来、ジェレミー・レナーには家族や友人はもちろん、世界各国のファンから温かい応援メッセージが寄せられている。そうした友人の一人で俳優仲間のエヴァンジェリン・リリーは、個人的にジェレミーを自宅に見舞って大きなショックを受けたと語っている。
リリーは『Access』誌のインタビューに対し、「ジェレミーの家を訪ねる時には鳥肌がたっていました。ベッドには身体を動かすこともできず苦痛の声を上げるジェレミーがいて、わたしは隣に腰かけ、ただ手を握ることしかできない。そんな光景を思い描いていたのです」と語っている。
「でも、家に入るとジェレミーは車いすに乗ってあちこち移動しながら、友人たちと笑い声をあげていたのです。奇跡としか言いようがありません」と、リリーはジェレミー・レナーの驚異的な回復力に驚いたことを明かした。
「まさに、わが目を疑いました。ジェレミーは臨死体験をしたことがトラウマになり、ずっと眠れなかったそうです。でも彼はタフガイ、信じられないほどの早さで回復しているようです」とリリーは振り返る。
エヴァンジェリン・リリーが語る「臨死体験」は、2023年1月1日に起こった事故直後を指す。事故の様子を記録したネバダ州当局の報告書が公開され、多くの人がレナーの体験に心を痛めたが、現実はそれよりもはるかに深刻なものだった。
報告によれば、その日、ジェレミーは自身が保有する大型除雪車「ピステンブリー」がひとりでに動き出し、轢かれそうになった甥を助けようとして、自身が轢かれてしまったという。除雪機の重量は約6.5トン、事故の深刻さは想像に難くない。
写真:ウェブ・ピステンブリー
ワショー郡保安官事務所の報告書によれば、「除雪車はレナーの上を通り、その下敷きになった彼は極度の呼吸困難に陥り、胸に鈍的外傷を負ったほか、胴体上部にも大きな外傷を負って」いる。病院に緊急搬送されたときには危篤に近かったようだ。
ジェレミー・レナーはこの投稿を通じ、事故が原因で折れた「骨の数は30本以上」と明かしている。『Deadline』によればその正確な数字は32本であり、成人には206本の骨があることを考えればレナーは全身の骨の15.5%を折ったことになる。
レナーはSNSを通じ応援してくれた人々にメッセージを送った:「多くの方からいただいた温かいメッセージや配慮に感謝します。皆さんに愛を送ります。30本を超える骨折も、家族や友人との愛や絆と同じように回復し、そして強さを増すことでしょう」
実際、友人たちも彼を力強く支えており、エヴァンジェリン・リリーが見舞いに訪れたことに加え、マーベル作品で共演したクリス・エヴァンスが彼を元気づけようとユーモア交じりの投稿をし、炎上する事態にまでなった。
『アベンジャーズ』でキャプテン・アメリカ役を務めたクリス・エヴァンスは「"スノーキャット"をチェックした」かどうかとツイートし、レナーをからかったのだ。もちろん、"スノーキャット"はレナーを押しつぶした重さ6.5トンの除雪車のこと。
写真:ツイッター - @ChrisEvans
友人レナーを「タフな男」と称賛するクリス・エヴァンスに対し、レナーも怒ることなくジョークで返している: 「大好きな友へ、"スノーキャット"をチェックしたところ、どうやらガス欠気味のようだ」
写真:ツイッター - @JeremyRenner
SNSで見せたユーモアとは対照的に、ジェレミー・レナーが陥った状況はかなり深刻であり、リハビリと体力回復には長い時間がかかるとされている。近しい人物が米情報サイト『Radar Online』に語ったところでは、完全な回復には約2年かかるという。
写真:Instagram - @jeremyrenner
同サイトは、「ジェレミーの状態は多くの人が思っているよりもはるかに悪い。本人も、自分が命を落とす可能性があったことを認識している」と伝えている。
事故当日、ジェレミーは「痛みが激しく、呼吸困難に陥り、救助を待つ間に出血多量であわや命を落とすところだった」と、『Radar Online』は続ける。
写真:Instagram - @jeremyrenner
約6.5トンの除雪機にひかれ大怪我を負ったジェレミー・レナーはヘリコプターで病院に緊急搬送された。数時間後、ジェレミーは胸部に鈍的外傷を負ったほか、脚や顔、頭部にもけがを負ったことが判明した。前出の『Radar Online』によれば、「胸部のダメージは大きく、再建手術が必要なほどだった」そうだ。
前出のメディアによると、ジェレミーは入院中にすでに2度の手術を受けており、1月16日に退院したもののふたたび手術が必要にならないとは限らない。実際、足は重傷を負っており再手術となる可能性は高いようだ。
写真:Instagram - @jeremyrenner
『Radar Online』は「脚の手術が必要になる可能性は十分にある。医師たちは身体の自然治癒力を引き出すために手術の間隔をあける傾向があるのだ」としている。
予断を許さない状況ではあるが、レナーがインスタグラムに投稿した笑顔に数多くのファンが安堵のため息をついたことは間違いないだろう。
写真:Instagram - @jeremyrenner
ジェレミー・レナーは病院にいる間、自宅のあるリノを思い出している。「幸せなこの場所が恋しい」とキャプションを付けた画像をインスタグラムのストーリーに投稿、さらに「リノそしてタホを通る時には気を付けて」とコメントを添えた。
一方、ジェレミー・レナーが主演する最新作『Mayor of Kingstown』が米CCBSで公開され、高い視聴率を集めている。自身もゆっくり観ることができるに違いない。
Photo: @jeremyrenner / Instagram
とはいえ、ジェレミー・レナーが関与していた映画プロジェクトは現在すべて中断されている。ハリウッドも世界中のファンも、レナーの回復の道のりを見守っている。
写真:Instagram - @jeremyrenner