生前に「子供たちに遺産は残さない」と宣言したスティーブ・ジョブズ、その遺産はどこへ?

アップル創業者、スティーブ・ジョブズ
「iPhone」を送り出す
残された莫大な遺産
アップル社とディズニー社の株式を所有
上昇し続けたディズニーの株価
結婚、そして3人の子供
思いもよらない遺産分配
3人の子供たちへは遺産分与なし
結婚前に付き合っていた女性との子供
認知を拒否
過去を後悔
十分過ぎる遺産
成功したキャリア
リードとエリン・シエナ
イブ・ジョブズ
慈善団体に寄付
アップル創業者、スティーブ・ジョブズ

世界的企業アップルを創業し、さまざまな革新的デバイスを生み出し世の中を一変させたスティーブ・ジョブズは2011年10月、56歳の若さで膵臓ガンのため亡くなった。

「iPhone」を送り出す

産業界全体に革新をもたらした天才ジョブズは、現在もなお高い人気を誇るIT遺産を人類に残した。その代表が「iPhone」だ。

残された莫大な遺産

アップルを創業して大きな成功を収め、30歳の誕生日を迎える前にビリオネアとなったジョブズは、巨額の遺産を残している。『フォーブス』誌は、その額を当時の83億ドルに相当するとしている。

アップル社とディズニー社の株式を所有

ジョブズの遺産の多くは株式であり、アップル社の550万株とディズニー社の1億3800万株だ。

上昇し続けたディズニーの株価

当時ジョブズは、ウォルト・ディズニー・カンパニーの株式7%を保有していた。マーベル、ルーカスフィルム、ピクサーを次々と買収し、ディズニーの勢いが止まらなかった時代の株式だ。

結婚、そして3人の子供

1990年、ジョブズはローレン・パウエルと恋に落ち翌年に結婚、3人の子供(リード、エリン・シエナ、イヴ)をもうけた。妻ローレンは、長い闘病生活を支え、最後までジョブズに連れ添った。

思いもよらない遺産分配

ジョブズの死後、妻ローレンと3人の子供たちが遺産の大半を受け取ったと誰もが思うだろう。しかし、実際はそうではなかった。

3人の子供たちへは遺産分与なし

驚くべきことにジョブズの3人の子供たちは、遺産を1ドルも受け取らなかった。ジョブズが遺産を残したのは、妻ローレン・パウエルと婚外子のリサ・ブレナン・ジョブズだけだった。

結婚前に付き合っていた女性との子供

リサ・ブレナンが『ニューヨーク・ポスト』誌のインタビューで語ったところによれば、彼女はジョブズがローレン・パウエルと結婚する前にクリスアン・ブレナンとの間にもうけた最初の子供だという。

認知を拒否

しかし、ジョブズは1991年までリサ・ブレナンを自分の娘とは認めず、養育費も支払っていなかった。

過去を後悔

リサ・ブレナンが生まれてから何年にもわたり認知も経済的支援もせず、模範的な父親ではなかったジョブズ。そうした仕打ちを償うために、ジョブズは妻の他にリサ・ブレナンにも遺産を残したのだ。

十分過ぎる遺産

遺族5人の間で平等に配分しても、ひとりひとりが億万長者になれるほど莫大な資産を抱えていたにもかかわらず、ジョブズはなぜ3人の子供たちには何も残さなかったのだろうか?

成功したキャリア

リサ・ブレナンによれば、ジョブズは3人の子供たちがそれぞれの分野で既に成功を収めていたため、遺産は必要ないと考えていたという。

リードとエリン・シエナ

長男リードはスタンフォード大学を優秀な成績で卒業した後、母ローレンが設立した慈善団体「エマーソン・コレクティブ」を活躍の場としている。長女エリン・シエナは、スポットライトから離れて生活するために、身元や職業をメディアに出さないようにしている。

イブ・ジョブズ

末娘のイブは、プロの乗馬選手として東京オリンピックへの出場権を獲得するほどの腕前の持ち主だ。(オリンピックが2021年に延期されたことで、最終的には出場していない)さらにはモデルとして、アメリカのDNA・モデル・マネージメントと契約し、ルイ・ヴィトンのキャンペーンに抜擢されたり、日本版『ヴォーグ』誌の表紙を飾っている。

慈善団体に寄付

ちなみにジョブズの遺産を受け取った唯一の子供リサ・ブレナンは、ジャーナリスト兼作家として活躍している。インタビューで受け取った遺産は「ウェイバリー・ストリート財団」と「エマーソン・コレクティブ」を通じて慈善事業に寄付したと語った。ジョブズの妻が設立し、異母兄も運営に携わる慈善団体だ。

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