パトリック・スウェイジ:写真でたどる90年代ハリウッドスターの人生

1990年代のスター
パトリック・スウェイジの生い立ち
母の影響でダンスを始める
スポーツとダンスのはざまで
役者としての出発
『アウトサイダー』(1983年)
『ダーティ・ダンシング』(1987年)
役者としての大成功
曲も大ヒット
『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)
映画は大ヒット
感動的な愛の物語
『ハートブルー』(1991年)
恋愛映画の常連
『ダンス with me!』(2003年)
妻、リサ・ニエミ
『ダンシング・ハバナ』(2004年)
『Jump!』(2007年)
膵臓がんが発見される
仕事を継続
闘病と死
マルチな才能を備えたアーテイスト
1990年代のスター

パトリック・スウェイジは俳優としての才能にあふれ、人好きのする甘いマスクで1990年代のスターになった。

パトリック・スウェイジの生い立ち

彼は1952年8月18日にテキサス州ヒューストンに生まれる。そのキャリアはまずバレエダンサーとして始まったが、のちにブロードウェイの舞台に出演するようになる。

母の影響でダンスを始める

母のパッツィー・スウェイジは「ジャズ・バレエ・カンパニー」という名のダンス教室を経営しており、パトリック・スウェイジは幼いころからそこでダンスを習った。

スポーツとダンスのはざまで

大学時代になると、パトリック・スウェイジは体操競技に打ち込む。だが、ディズニーのショーにダンサーとして参加することを打診され、それがきっかけになって体操競技よりもダンスを優先するようになった。

役者としての出発

だがその後、膝の手術を受けることになり、パトリック・スウェイジはキャリアの再選択を余儀なくされる。そこで思い浮かんだのが演技の道だった。ダンスにおいてもスポーツにおいても平均を軽く上回る能力を示していた彼だったから、演技の分野でもその才能は発揮されないほうがおかしかった。

写真:1983年のテレビドラマ『The Renegades』

『アウトサイダー』(1983年)

1983年、フランシス・フォード・コッポラ監督の映画『アウトサイダー』でパトリック・スウェイジは目立つ役どころを任される。写真に一緒に写っているのは、同作に共演したロブ・ロウとC・トーマス・ハウエル。

『ダーティ・ダンシング』(1987年)

だが、パトリック・スウェイジが真の名声を得るのは1987年のことである。青春恋愛ダンス映画『ダーティ・ダンシング』。

役者としての大成功

幼いころから英才教育を受けていたダンスをいかし、スウェイジはダンスのインストラクターを演じる。そんな彼と恋に落ちるのが、ジェニファー・グレイ演じるティーンエイジャーの女の子。この演技で彼はゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされ、役者として一気に名をあげた。

曲も大ヒット

くわえて、パトリック・スウェイジは映画のために自作曲「She's Like the Wind」のボーカルを担当し、これが世界的にヒットした。シングルカット版は全米ビルボードの3位を記録する。

『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)

この映画をきっかけに、ハリウッドのさまざまな出演オファーが舞い込むようになった。1990年には『ゴースト/ニューヨークの幻』に出演する。共演はデミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ。

映画は大ヒット

『ゴースト/ニューヨークの幻』は全世界で相当な興行収入を記録し、スウェイジはこの演技で二度目のゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネートを受ける。

感動的な愛の物語

映画は死んだ恋人が幽霊になり、愛する人を守るために奮闘するという筋書きである。この感動的でストレートな物語があまりにヒットしたので、似たような作品が多く作られることにもなった。

 

『ハートブルー』(1991年)

1991年、パトリック・スウェイジはキアヌ・リーヴスとダブル主演で『ハートブルー』に出演する。サーフィンをからめたクライム・アクション。

恋愛映画の常連

とはいえ、パトリック・スウェイジはやはり恋愛映画にキャスティングされることが多かった。たとえばメラニー・グリフィスと共演した『Forever Lulu』(2000年)や、シャーリーズ・セロンと共演した『Waking Up in Reno』(2002年)といった作品である。

『ダンス with me!』(2003年)

2003年の映画『ダンス with me!』でパトリック・スウェイジは『ダーティー・ダンシング』以来の素晴らしいダンスを披露する。ニューヨークを舞台にバレエ団の奮闘と恋の鞘当てを描いた作品で、振り付けは母のパッツィー・スウェイジが担当した。

妻、リサ・ニエミ

この映画を監督したのはリサ・ニエミで、彼女はスウェイジの妻である。脚本にも参加しており、同作の中でスウェイジの相手役として踊ってもいる。二人の出会いは母のダンス教室のことで、リサ・ニエミは当時15歳だったという。

『ダンシング・ハバナ』(2004年)

2004年の映画『ダンシング・ハバナ』は原題を『Dirty Dancing: Havana Nights』といい、『ダーティ・ダンシング』の舞台をニューヨークからハバナに移し、キューバ革命に翻弄される若者のダンスと恋の物語を描いた。主演はディエゴ・ルナとロモーラ・ガライ。パトリック・スウェイジは主演ではないが、前作ファンへの目配せとして出演している。

写真:ディエゴ・ルナとパトリック・スウェイジ

『Jump!』(2007年)

円熟期にさしかかったスウェイジは、2007年に映画『Jump!』に出演する。これは1928年のオーストリアでユダヤ人学生ハルスマンが殺人容疑で起訴されるという実際の出来事をもとに、その裁判の様子を描いた映画だ。

膵臓がんが発見される

2008年、パトリック・スウェイジがステージ4の膵臓がんを患っているというショッキングなニュースが公表される。腹部に痛みを感じ、慢性的な消化不良のせいだろうと思って病院に行ったパトリック・スウェイジだったが、がんが見つかってしまったのだ。

仕事を継続

それでもスウェイジは俳優業をやめなかった。化学療法を受けながら、その合間にテレビドラマ『The Beast』(2009年)の撮影を続けた。

闘病と死

2年弱の闘病の末、パトリック・スウェイジは2009年9月14日に57歳でこの世を去る。

マルチな才能を備えたアーテイスト

パトリック・スウェイジは、ダンスも歌も演技もできる、まさにマルチな才能を兼ねそろえた素晴らしいアーティストだった。その姿は今も鮮やかに、ダンス映画や恋愛映画のワンシーンに刻み込まれている。

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