外国人が最も暮らしやすい都市と最も暮らしにくい世界の都市

外国人が暮らしやすい世界の都市ランキング
ベスト10位:マスカット(オマーン)
ワースト10位:ソウル(韓国)
ベスト9位:バンコク(タイ)
ワースト9位:パリ(フランス)
ベスト8位:クアラルンプール (マレーシア)
ワースト8位:ロンドン(イギリス)
ベスト7位:メキシコシティ(メキシコ)
ワースト7位:イスタンブール(トルコ)
ベスト6位:マドリード(スペイン)
ワースト6位:ダブリン(アイルランド)
ベスト5位:アブダビ(UAE)
ワースト5位:ベルリン(ドイツ)
ベスト4位:ラス・アル・ハイマ(UAE)
ワースト4位:ハンブルク(ドイツ)
ベスト3位:バレンシア(スペイン)
ワースト3位:バンクーバー(カナダ)
ベスト2位:アリカンテ(スペイン)
ワースト2位:ローマ(イタリア)
ベスト1位:マラガ(スペイン)
ワースト1位:ミラノ(イタリア)
外国人が暮らしやすい世界の都市ランキング

外国で暮らす駐在員や学生のためのネットワークで520万人以上の会員数を誇る「インターネーションズ(InterNations)」 は、外国人が暮らしやすい世界の都市について毎年調査を行っている。今回は2023年後半に発表された最新の調査結果から、「外国人が暮らしやすい都市」ベスト10とワースト10を交互に見ていこう。

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ベスト10位:マスカット(オマーン)

少し意外に思えるかもしれないが、アラビア湾に面したオマーンの都市マスカットが魅力的な海外居住地ランキングの10位に輝いた。部門別にみると、住居面は比較的安価で探しやすいことから2位、治安面では3位、銀行口座開設のしやすさをはじめとする「外国人居住者にとっての必須項目」は2位となった。一方で低い評価が下されたのはレジャーおよび公共交通機関の充実度だ。

ワースト10位:ソウル(韓国)

韓国ドラマやKポップなどで人気急上昇中の韓国だが、実際に暮らしてみれば楽しいことばかりではない。ソウルはワークライフバランスや仕事の満足度の点で最下位となったほか、外国人居住者は地元住民に歓迎されていないと感じたり、大気汚染が気になったりしている。一方、医療サービスでは1位を獲得、公共交通機関に関しても上位となった。

ベスト9位:バンコク(タイ)

安い生活費、豊富な住宅供給、充実したソーシャルライフを求める人にとり、バンコクは理想的な都市といえるかもしれない。居住手続きがしやすく現地の人々がフレンドリーであることも高く評価された。ただし、行政サービスや地元公務員の仕事ぶりに不満を覚える人は多く、仕事の満足度も低水準となっている。

ワースト9位:パリ(フランス)

映画『エミリー、パリへ行く』にみられるように憧れの地とされるパリだが、須戸に住む外国人には苦労も多いようだ。パリは「もっともフレンドリーではない都市」5位以内にあり、外国人居住者の66%が「フランス語が話せないと暮らしにくい」と回答したほか、生活費の高さを苦に感じる人は61%にのぼった。一方、豊かな食文化、雇用の安定性、医療制度については高い評価が得られた。

ベスト8位:クアラルンプール (マレーシア)

魅力的な都市の8位はマレーシアの首都クアラルンプール。給与に関する満足度は4位で、居住者の80%が給与額を妥当と感じている(全体平均は63%)。さらに外出先や食事のオプションも豊富。マイナス評価となったのは治安面や政治的安定性、公共交通機関だ。

ワースト8位:ロンドン(イギリス)

外国人が暮らしにくい都市の8位は、意外なことにイギリスのロンドン。とくに問題視された分野は生活費で、外国人居住者の74%が「やりくりに苦労している」と答え、79%が住居費が高すぎるとした。どんよりとした天気や医療制度もマイナス要素となっている。その一方で、ロンドン居住経験者の75%はキャリアアップに役立つと答えたほか、職場に高い創造性や柔軟性があると指摘している。

ベスト7位:メキシコシティ(メキシコ)

人口2千万人を超える巨大都市メキシコシティが暮らしやすい都市ベスト位にランクイン。外国人居住者は、現地の人々がフレンドリーで社会に溶け込みやすく、生活費も高すぎないとしている。職場には目的意識があり、給与にも満足、外食オプションも豊富で文化面やナイトライフも充実しているといいことづくめのようだが、治安の面では最下位。医療サービスも低水準とされた。

ワースト7位:イスタンブール(トルコ)

活気あふれる大都市イスタンブールだが、暮らしやすさではワースト7位となった。居住者の間では給与待遇を筆頭に、職場における安全性や現地の経済状況などさまざまな面で不満がみられたほか、徒歩や自転車での外出にも不安を感じるという声がある。さらに外国人居住者が必要とする銀行口座開設などの手続き面でも評価が低い。ただし、「温暖な気候や労働ビザの取りやすさ」は魅力となっている。

ベスト6位:マドリード(スペイン)

首都マドリードは人気都市バルセロナを抑えてベスト6位にランクイン。居住経験者はレジャーの選択肢の多さや、充実した文化生活やナイトライフに高い評価を与えている。さらに地元の人々がフレンドリーで、公共交通機関や医療制度の水準の高さもポイントとなった。ただし、安定雇用と経済状況については38位と低い順位にとどまっている。

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ワースト6位:ダブリン(アイルランド)

外国人が暮らしやすい都市とはいいがたいのがアイルランドのダブリン。給与と生活費のバランスはワースト2位で、住居価格が高く、家探しがむずかしいという点ではワースト1位。一方仕事に関する意見はさまざまで、「目的意識がある」点では最下位ながら、キャリアの見通しの面で満足と答えた人は66%に上った。

ベスト5位:アブダビ(UAE)

砂漠地帯に忽然と姿を現す近未来都市アブダビは、同じく中東アラブ首長国連邦の首都ドバイを上回る5位となった。アブダビは世界屈指の水準を誇る交通インフラ、効果的かつ安価な医療サービス、移住のしやすさで高い支持を得ている。また、労働ビザの取得や銀行口座開設がしやすく、現地語を解さなくとも生活できることが評価されたほか、回答者の55%がキャリアにおけるチャンスを得たとしている。

ワースト5位:ベルリン(ドイツ)

イメージの良さで知られるベルリン、しかし実際に住むとなれば住居探しから高速インターネット導入まで、かなりの手間がかかるとされる。さらに地元の人々はフレンドリーではないという点でワースト2位、外国人居住者の57%が現地で友人を作るのはむずかしいとしている。ただし回答者の90%がベルリンの文化度を評価したほか、雇用市場や経済状況も高い水準にあるとしている。

ベスト4位:ラス・アル・ハイマ(UAE)

アラブ首長国連邦を構成するラス・アル・ハイマがベスト5にランクイン。労働ビザの取得しやすさや低い住居価格など、外国人居住者に必須となる項目で1位に輝いた。仕事における満足度も高く、キャリアの見通しに関しては2位、友人作りもでき現地社会にも溶け込みやすいとされる。あえてマイナス点を挙げるとすれば公共交通機関があまり充実していないこと、ナイトライフの選択肢が少なく、自然環境が殺伐としていること。

ワースト4位:ハンブルク(ドイツ)

外国人が最も暮らしやすい都市のワースト2位になったのはドイツのハンブルク。友人は作りづらく、豊かなソーシャルライフや助け合いのできる人間関係の構築も期待できないとされる。しかも、ドイツ語を解さないと住居探しに困難が付きまとう。一方、雇用の供給と安定性は高く評価されている。

ベスト3位:バレンシア(スペイン)

スペイン第3の都市バレンシアは生活の質の高さで第1位となったほか、医療サービスもレジャーも安価で質が高く、食事は美味しくナイトライフも充実していると高評価。スポーツレジャーでは1位を獲得したほか、外国人居住者は地元で歓迎されていると感じ、地元社会に溶け込みやすいと答えている。仕事の選択肢が少ないことが玉にキズだが、バレンシアでの暮らしに満足と答えた人の割合は、平均72%を大きく上回る91%となった。

ワースト3位:バンクーバー(カナダ)

カナダで最も美しい都市のひとつであり、気候も比較的温暖なバンクーバーだが外国人居住者の満足度はいまひとつ。84%が生活費は高くて給与は低いと答えるなど、個人の経済的満足度がいちばんの問題となっている。住居探しや友人作りも簡単ではなく、レジャーや旅行のオプションも少ないことからバンクーバーでの暮らしは少々退屈に感じられるようだ。ただし、ワークライフバランスは高く評価された。

画像:Jeremy Lee/ Pexels

ベスト2位:アリカンテ(スペイン)

最も暮らしやすい都市ベスト2となったのはバレンシア州の都市アリカンテ。外国人居住者の92%が生活に満足していると答え、地元の人々に受け入れられており、ソーシャルライフにも満足と答えている。住居価格では1位、個人の経済的満足度では3位となっている。とはいえこの世に理想郷はないようで、居住者は仕事環境について創造性や柔軟性に欠けており管理体制が厳しいと感じている。

ワースト2位:ローマ(イタリア)

「甘い生活」を夢見る外国人居住者は、イアリアの首都には失望させられることになりそうだ。最低評価が下された分野は仕事関係で、居住者の満足度は低くしかも低賃金とされている。生活費はそれほど高くないが、収支に関する満足度は低い。生活の質全体についても評価が低く、とくに書類手続きについては最下位となっている。ただし、活気ある文化イベントやナイトライフは高く評価された。

画像:Gabrielle Clare Marino / Unsplash

ベスト1位:マラガ(スペイン)

外国人が最も暮らしやすい都市の1位に輝いたのはスペインのマラガ。地元住民の親しみやすさ、生活費、気候面について99%が満足していると答えたほか、レジャーが充実しており旅行にも便利、生活の質も高いとされている。ただし雇用状況については、満足と答えた人の割合は29%にとどまった。

画像:Carlos Sedano / Pexels

ワースト1位:ミラノ(イタリア)

ワースト1位は意外なことにイタリア北部の都市ミラノ。ミラノは役所手続き、銀行口座開設、住居探しや仕事探しの面できわめて評価が低く、具体的には雇用の安定性と仕事に対する報酬の正当性において最下位となっている。ミラノに住む外国人はやりくりに苦労しており、充実したソーシャルライフがあるとはいえ不満を感じる人の割合は33%にのぼった。加えて治安問題も指摘されている。ただし、食事が美味しく旅行に便利という点は評価された。

画像:Rubina Ajdary / Pexels

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